(2026年 アメリカ)
主人公が森で異常者に追い掛け回されるマンハントものの亜種。ただし主演がシャーリーズ・セロンという時点で勝敗は分かったようなものなので、特にハラハラはさせられなかった。

感想
短い上映時間が睡眠前のひと時に丁度良かったので、何気なく鑑賞。
ロッククライマーのシャーリーズ・セロンが、訪れた森で田舎者に不快な思いをさせられるという導入部はジョン・ブアマン監督の『脱出』(1971年)を、異常者に追い掛け回されるという展開はメリル・ストリープ主演の『激流』(1994年)を彷彿とさせられ、また付加されたアクション要素からはそこはかとなく『プレデター』(1987年)の香りがしてきた。
この通り、既視感に溢れた作品であり、定番のカタに当てはめてきっちり手堅く作られているため、つまらなくはない。
『ジョーカー』(2019年)でアカデミー賞にノミネートされたローレンス・シャーによる撮影は素晴らしく、大自然の美しさ・厳しさを余すところなく表現している。
また多くの場面をスタントダブルなしで演じきったシャーリーズ・セロンのアクションの説得力もあり、十分にみられる作品となっている。
ただし、主演がシャーリーズ・セロンであるがゆえに、勝負がはじめから見えてしまっているという欠点もある。
何せフュリオサである。彼女が死ぬわけがない。
主人公はあらゆる困難に陥り、並みの冒険家なら5回くらいは死んでいると思うが、彼女はかすり傷程度でやり過ごしてしまう。
これではスリラーとしての緊張感が生まれようがない。
また冒頭で旦那(カメオ出演のエリック・バナー)の事故死というイベントが挿入されたのは、本編における主人公の生への執着というドラマ展開が意図されたものだろうと思うんだけど、そうした要素も全然生きてこない。
ならば『ハードターゲット』(1993年)のように追撃者を返り討ちに遭わせる爽快感の追及をしても良かったと思うのだが、そちらにも振り切れていないので、なんだか中途半端な印象を持った。
決して悪い映画じゃないんだけどね。


コメント