ブラックバッグ_なかなかの睡眠導入映画【4点/10点満点中】(ネタバレなし・感想・解説)

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エージェント・殺し屋
エージェント・殺し屋

(2025年 アメリカ)
ダラダラとした会話劇のみで構成されたつまらないスパイ映画。大きな見せ場がなく、また痺れる展開があるわけでもないので、きわめて優秀な睡眠導入映画ではある。

感想

寝る前のひと時にハマる映画を漁っていたところ、アマプラでちょうどいい尺の映画を発見。それが本作だった。

上映時間はたったの94分で、監督はオスカー受賞のスティーブン・ソダーバーグ、主演はマイケル・ファスベンダーとケイト・ブランシェットとくれば、さぞや濃厚な映画なんだろうと期待も高まる。

主人公はNCSC(国家サイバーセキュリティセンター)の諜報員ジョージ(マイケル・ファスベンダー)。

世界に脅威を与えるプログラムが盗まれた。どうやら身内の犯行らしい。

5名に絞り込まれた容疑者の中から真犯人を突き止めろとの指令がジョージに下されるのだが、容疑者はいずれも顔見知りで、その中には妻キャサリン(ケイト・ブランシェット)も含まれている。

多くのしがらみを抱えながら、それでもジョージは淡々と尋問を進めていくというのが、ざっくりとしたあらすじ。

諜報機関内の裏切り者探しというスパイ映画としてはオーソドックスなストーリーであり、また公私のはざまで苦悩するスパイ像も、これまたありがちだ。

脚本を担当したのは『ミッション:インポッシブル』(1996年)のデヴィッド・コープであり、本作は”ベタ”を突き詰めて新しいものを生み出そうとした、意欲的な作品であろうことが伺える。

果たしてその成果やいかにというと、確かにリアルなのかもしれないけど、映画としてつまらないのは如何ともし難かった。

基本は会話劇で、爆破や銃撃は控えめなのが各一回ずつのみ(この作風で6千万ドルもの製作費は、いったい何に使ったんだろう)。

あえて禁欲的な作風に徹していることは分かる。分かるが、本当に面白くないんだよ。

またその会話劇も静かなる諜報戦というたぐいのものではなく、人間関係などをチクチクと弄って、そこでボロを出すのを待つという、なんとも地道なもの。

しかもその話の大半が、浮気してるだの同僚と関係を持っただのと実にしょーもない話で、とても聞いていられなかった。

ネイティブが聞くと面白いのかな?

少なくとも日本語に翻訳されたバージョンでは会話に奥行きも何もなく、真面目腐った人間が恋愛話で怒ったり開き直ったりしてるだけだった。

それにしても、諜報員って狭い範囲内で関係を持ちすぎじゃないの?

仲良く食卓を囲んでいる隣のカップルの男と関係を持っていましたとか、もうメチャクチャ。

ハニトラなどに巻き込まれるリスクの高い職業柄、誰とでも付き合うというわけにもいかず、職場での人間関係がどうしても濃密になってしまうという究極のリアリティなのかもしれないが、それにしても節操なさすぎ。

・・・ここまで文句ばかりだったので良い点も挙げると、スティーブン・ソダーバーグらしい高級感や品は確かにある。

なので文字にすると節操のない男女関係も、劇中ではさほど下品に感じられなかった。

ソダーバーグとかコーエン兄弟って、この映画の良さが分からないと言い出しづらい高尚な空気を醸し出すので、うまいというかズルいというか。

そういえば、ソダーバーグがスターウォーズの脚本を1年がかりで書いたのに、それをディズニーに却下されたというニュースが出回っていた。

世界中の映画ファンは「なんてことするんだ!」という反応だったけど、ディズニーは、ソダーバーグだと見掛け倒しのつまらん映画にされる未来が見えてたんだろう。

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