Michael/マイケル_薄口伝記映画【6点/10点満点中】(ネタバレなし・感想・解説)

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実話もの
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(2026年 アメリカ)
マイケルの楽曲の力強さのみに頼り切った、実に中途半端な伝記映画。ジャクソン一家が制作にかかわったことが良くなかったのかな?とにかく故人の陰の部分を描かないので、ドラマとしては不完全燃焼だった

感想

先行ロードショーから数えて2週間目でようやっと鑑賞できた。

普段は映画に関心のない友人が、珍しく本作には関心を持ったらしく、一緒に行こうという約束をしたのが先月末のこと。

俺としては先行ロードショーで見たかったんだけど、普段映画館に足を運ばない奴というのは恐ろしいもので、「あ、都合悪い」「せっかくだから一番いいスクリーンで見たいのに、丁度いい時間が空いてないんだよなぁ」とか言われているうち、2週間も経ってしまった。

ホットなうちに見ておきたい映画好きとの間の温度差は甚だしいということを実感したので、今後、映画館には一人で行くことを徹底したい。

と、ここまで述べてきて申し訳ないのだが、私個人はマイケル・ジャクソンにまったく思い入れがない。

そもそも洋楽・邦楽問わず音楽というものをほとんど聴かないので、マイケル・ジャクソンと言えば「パン、茶、宿直」程度の認識しかない。

というわけで、うちの棚で未開封のまま15年ほど放置されてきた『THIS IS IT』(2009年)のBlu-rayを引っ張りだして予習したのだが、今更ながら、この人凄いね。

何が凄いって、世界中から集められてきたプロのバックダンサー達よりもダンスがうまいの。

自ら作曲作詞をして、歌唱をして、ダンスまでして、そのいずれもが世界最高クラスって、こんなアーティストは他にいない。

というわけで遅ればせながら興味が高まってきた状態での鑑賞となったが、直前にマイケル本人のパフォーマンスの物凄さに感動してしまった分、作品中のパフォーマンスには物足りなさを覚えた。

マイケルに扮するのは甥っ子のジャファー・ジャクソン。

もともと音楽界で活躍してきたらしいのだが、演技経験はない。

マイケルとの血縁があるとはいえ、そんな素人を製作費2億ドルとも言われるこの企画の主演に据えたプロデューサー陣は肝が据わっている。

ジャファーのパフォーマンスは確かに素晴らしいし、偉大なるおじさんに似せるためとんでもない努力をしたであろうことも十分に伝わってくる。

ただ、おじさんは不世出の天才なのである。

ジャファーがどれだけ素晴らしいパフォーマンスを披露しても、マイケル本人のキレッキレダンスのインパクトは越えられない。

これだったら本人のプロモーションビデオでも眺めている方がいいだろう。

ではドラマとしてはどうかというと、プロデュースにジャクソン一家が関わっていることの弊害なのか、伝記映画としての盛り上がりどころをことごとく外している。

毀誉褒貶という言葉があるが、本作で描かれるのは「誉」と「褒」の部分ばかり。

ただし観客が見たいのは「毀」と「貶」の部分なのよ。

マイケルのような金のなる木にはいろんな虫が群がってくるはずで、そんな中で苦労していたマイケル像を見たいのに、当時の関係者が制作にかかわってしまったせいで、出てくるのは基本いい人ばかり。

故人である父ジョセフが専ら嫌われ役を買って出ているのであるが、彼は親戚からの評判が悪かったのだろうか?

ここまで一貫して酷い親として描かれていると、ちょいと気の毒にもなってくる。

マイケルの才能を見出し、少なくともキャリア初期においてはその売り出しに成功したのだから、悪い面ばかりでもないだろう。

しかもジョセフからの独立は中盤で成し遂げているため、後半にかけて作品は描くべきドラマを見失っている。

結果、終盤は楽曲とパフォーマンスをひたすら流すだけ。

確かに楽曲は強いし、ジャファーはパフォーマンスを頑張っているので、ちゃんとした見せ場にはなっているのだけれど、濃厚なはずのマイケルの人生の面白い部分をすっ飛ばした挙句、「マイケルのドラマはこれからも続く!」という、打ち切りになった少年漫画みたいなラストには、椅子からずっこけそうになった。

IMDBの記事によると、元はマイケルが児童虐待等の罪に問われるパートも撮影はされていたのだが、被害者との和解条件などもあって、このパートを公開することは法的に難しいとの判断があったようだ。

そこでクライマックスのない尻切れトンボのラストになったらしい。

扱いに困る題材だったという制作サイドのご苦労は理解しつつも、一本の映画としては機能していないので、評価はやや下げざるを得ない。

また明らかに楽曲とドラマがリンクしてた様子なのに、歌詞の和訳がついていないのが残念すぎた。

歌詞の権利料が高すぎて払えなくなっているという日本の配給会社の事情は、リドリー・スコット監督『オデッセイ』の公開時に聞いたような気がするけど、本作のように大ヒットが狙える作品の場合は、ちょっと頑張って欲しかったかな。

あ、ここまで悪口ばかり書いてきたけど、伝記映画に慣れたプロデューサー グレアム・キングと、娯楽作の経験豊かな監督アントワン・フークアの力業もあり、2時間はきっちり楽しめる作品にはなっている。

ただし、この題材に求められるハードルは越えていないよなぁという映画オタクのボヤキと思って理解してください。

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コメント

  1. Yujin23duo より:

    一応続編が企画されてるっぽいので、そこで色んな影の要素も描かれるかもしれませんね。

  2. 匿名 より:

    続編は暗くなりそうなのでセガと楽しく過ごしてお土産筐体丸ごと持ち帰るマエケルなどで楽しく作ってほしいですね