(2026年 アメリカ)
アクションは悪くないんだけど、妙に間延びしたテンポと、前作の結論をひっくり返すストーリーで台無しになった感がある。あとスパイダーマンにサイキック系の悪役とのマッチは合わない

感想
『ディスクロージャーデイ』も『オデュッセイア』も公開を先延ばしにされ、洋画ファンにとっては厳しい夏において、唯一ともいえるハリウッド大作が本作『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』である。
本国アメリカでは『オデュッセイア』に上映館を押さえられてIMAX上映ができない中、日本ではIMAX上映ありという『オデュッセイア』公開延期の怪我の功名もあり、本作への期待値は爆上がった。
池袋は普段いかない街であるが、今回ばかりは日本最大のIMAXスクリーンを誇るグランドシネマサンシャインにまで見に行ってしまった。
6階建てのビルと同等の高さというグランドシネマサンシャインのスクリーンはものすごい。
真ん中あたりの座席で見たが、スクリーン全体が視界に収まりきらず、上下はほとんどみえてなかったね。
これは良いのか悪いのか
だったらラージフォーマットではなくシネスコの方がいいんじゃないかと思ったりで
内容の方もあまりハマらなかった。
3人のピーター・パーカーが集まった結果、「スパイダーマンって、なんだかんだ知り合いがよく死ぬよね」ってことに気づき、愛する者を守るためには自分が身を引かなければならないという結論に至った前作『ノー・ウェイ・ホーム』。
本作ではその後のピーターのドラマが描かれるのだが、MJやネッドに対する思いをいまだ捨てきれておらず、結局二人との関係を再び持つに至ってしまうドラマ構成にはガッカリだった。
これでは元の木阿弥ではないか。
最終的に関係性が復活することになるにせよ、それは次作あたりがよかったかな。
ノーウェイホームの続編でいきなりちゃぶ台返しは早すぎる。もうちょっと孤独なピーターを見ておきたかった。
進まないドラマで言えば、ピーター達の精神の成長しなさ加減も問題だろう。
ノーウェイホームからのリアルの経過年数と同じく、劇中でも4年以上の月日が経っているという設定であり、ピーター・MJ・ネッドは大学を卒業した年齢だ。
だったらもっと大人の会話をしてもいいと思うのだが、高校時代からあまり中身が変わっていない。
あとMJとネッドの同居生活もどうかと思った。
二人はマンハッタンのアパートで同居している。
てっきり付き合ってるのかと思いきや、特にそういう関係でもなく、幼馴染だから一緒に住んでるだけということのようだ。
いやいやいや、恋仲でもない大人の男女が同居なんて普通ありえない。
男の方が良からぬ気を起こしたりものであり、いくら何でもキャラたちの精神年齢を低く設定しすぎである。
てか誰も働いてる様子がないし、どうやって家賃を払ってるんだろう。
物語全体の進行もよろしくない。
ヒーローものと言えば、はっきりとした強敵がいて、こいつを倒すことが目的という明快なストーリーラインがあるものなんだが、本作の場合は終盤になるまで敵の正体が定かにはならず、また敵を倒すことを目的ともしていないので、ストーリーがどの方向に進んでいくのか皆目見当もつかない。
結果、アクション映画としての大きな流れを生み出せておらず、妙に間延びした作品となっている。
また正体を現した敵はサイキック系なので、フィジック系のヒーローであるスパイダーマンとの戦いは盛り上がりに欠けた。
結果、見せ場の質は後半に行くにつれて尻すぼみに下がっていった。
『シャン・チー』のデスティン・ダニエル・クレットンが監督しているので、個々の見せ場の出来は悪くないのだが、脚本の出来がよろしくないので、今回は観客に対するインパクトを与え損ねたという印象。
あとねぇ、パニッシャーの扱いよ。
ジョン・バーンサルのパニッシャーはネットフリックスのドラマから見ているので、ついに彼がスクリーンに姿を現したときは嬉しかったよ。
けど全然活躍しないどころか、肝心なところで足を引っ張るという体たらくで、「何のために出てきたの?」と言いたくなるようなありさま。
またハードな処刑人としての性格は鳴りを潜め、ただの面白おじさんになっているのもガッカリだった。
隠れ家に家族の写真が貼られていることから考えるに、本作は『パニッシャー:ワン・ラスト・キル』(2026年)の後日譚なのだろうと思うけど、激しい暴力と怒りに包まれていた『ワン・ラスト・キル』とは同一人物とは思えない程、人間が丸くなっている。
パニッシャー(とヤミノテ)が出てくるということは、本作は『デアデビル』ともつながった世界の物語ということになるんだけど、フィスク市長が悪行三昧だった時、スパイダーマンやブラックウィドウは一体何やってたんだという疑問も浮かんでくるし。
しかも同時期にはハルクもNYに居たのだから、フィスク市長なんて簡単に排除できたのではないか。
デアデビルがヒーヒー言ってるときに、なぜ手伝ってあげなかったんだろう。
市民からの人気の高いスパイディが反市長側についていれば、デアデビルがあんなに苦労することもなかったはずなんだけど。


コメント
レビューの精度の低さが残念。ファーフロムホームが5点の時点で見る目ないのだとお察し
確かに。ファーフロムホームよりも面白くなかったから4点以下になるべき
超かぐや姫!のレビューをお願いできませんか。世論真っ二つらしいので言わんドラゴさんのご意見を伺いたいです。