スーパーガール(2026年)_シスターフッド版『レオン』【5点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)

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DCコミック
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(2026年 アメリカ)
つまらなくはなかった。が、すごく面白いわけでもなく、本当に水準作。今のハリウッド大作の丁度真ん中みたいな映画。第2弾にしてこの落ち着きようでは、DCUの先も思いやられる。

感想

公開初日に郊外のIMAXで鑑賞。

客入りは良く、なんだかんだでアメコミ物は人気なんだということを実感した。

最近見た『マスターズ・オブ・ユニバース』『モータルコンバット ネクストラウンド』の客入りが悲惨すぎたこととの対比から、余計にそう思う。

昨年の『スーパーマン』(2025年)のラストに登場したスーパーガール=カーラ・ゾー・エル(ミリー・オールコック)の単独主演作。

・・・という触れ込みではあるが、本作の実質的な主人公は家族を殺された少女ルーシー(イヴ・リドリー)であり、スーパーガール=カーラはその助太刀をする立ち位置にある。

刀鍛冶であるルーシーの父の元に、宇宙の反社集団ブリガンズが押し掛けてくる。

目当ての刀を差し出せば黙って帰るだろうと落ち着いて対応する父だったが、ちょっとした手違いから一家惨殺劇へと発展。

一人残されたルーシーはブリガンズへの復讐を誓うのだが、自分一人の力ではどうにもならんとならず者たちが集まる酒場へと出向き、たった一本だけ残った父の刀を賞金にしてヒットマンを雇おうとする。

その場にたまたま居合わせたカーラは、これは見ておれんとしてルーシーの世話を焼くのだが、カーラはカーラで愛犬クリプトに毒を撃ち込まれたものだから、解毒剤を入手するためブリガンズを追うこととなる。

という半分『レオン』(1994年)入った導入部なのだが、ここまでの体感時間は20分足らずで(時計を見られる環境にないので実際のランニングタイムは不明)、実にスムーズに話のお膳立てをしていくものだと感心した。

この時点では良作の予感がしていた。

ブリガンズという目標こそ共通であるが、カーラはクリプトの命を救うこと、ルーシーはブリガンズの命を奪うことが最終的なゴールであり、その方向性は正反対だと言える。

スーパーパワーを持つカーラが「為さざるが最善」を信条に人生を冷めた目で見ているのに対し、非力なルーシーの心は復讐心で燃え上がっている。

こうして書き出してみると二人のキャラ造形は対照的に設定されており、企画レベルではよく考えられた話だと言える。

ただし問題は、二人の間で化学反応が起こっていないということだ。

カーラはルーシーに人を殺すことの空虚さを説くのだが、かといって彼女の手が血で汚れているわけでもないので、なぜそんなことを力説するのか、ルーシーにも観客にも伝わってこない。

回想にて、家族や同胞の死に立ち会いすぎたカーラの悲惨な生い立ちが語られるのだが、ここでの死は殺人でもないので、ルーシーに思いとどまらせようとしていることとは絶妙に噛み合っていない。

加えてブリガンズが銀河レベルのゲス野郎どもなので、四の五の言わずさっさと殺せばいいのにと思ってしまう。

一方ルーシーはというと、能力もないのに戦闘にノコノコ参加し、結果、決定的な場面でカーラの足を引っ張るという最低の目立ち方をしてしまう。

そうして失敗ばかりしているのに、口先ではいっちょ前のことを言うのが止まらない。

ハッキリ言うが、個人的には大嫌いなタイプのキャラなので、彼女を見ているのはしんどかった。

最終的にルーシーは復讐を踏みとどまるのだが、父の遺志を継いで刀鍛冶にはなるという。

自分で人は殺さないが、人を殺す道具は作るんかいと、その決断にはずっこけそうになった。

見せ場も盛り上がりに欠けた。

これは『スーパーマン』(2025年)のレビューでも書いたことだけど、圧倒的なパワーを持つクリプトン人の見せ場を作るのは難しい。

彼らが本気出せばどんな敵にでも勝ててしまうので、クリプトナイトを出されて「う~」と苦しんでいるうち、敵にいいようにされるくらいしか、見せ場に抑揚のつけようがないのだ。

それでも『スーパーマン』(2025年)では”悪意”というパワーだけでは乗り切れない壁を設定したことで、見事スーパーマンを窮地に追いやることに成功したのだが、一方本作のカーラは古典的な「クリプトナイトう~」のパターンだったので新鮮味がなかった。

またカーラの戦力描写が安定しておらず、宇宙海賊の船をたった一人で破壊するほどの力を示したかと思いきや、ブリガンズを相手にしている時には殴り合いで勝てる程度の強さだったりと、どうにも実力が見えてこない。

加えて空間演出がへたくそで見せ場の位置関係が全然伝わってこないものだから、本来はハラハラすべき場面がそうなっていなかったりと、全体的に外した部分が大きい。

監督したのは、ライアン・ゴズリングがダッチワイフにマジ恋愛するドラマ『ラースとその彼女』(2007年)のクレイグ・グレスピー。

元々ドラマ畑の監督なので、大予算を投じたアクション大作には向いていなかったようだ。

第2弾にしてこの盛り下がり方のDCUは大丈夫なのだろうか?

秋には『クレイフェイス』、来年にはスーパーマンの続編『マン・オブ・トゥモロー』が予定されているが、まったく期待値が上がっていかない。

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