(2019年 アメリカ)
展開が遅く、話は大して面白くない。ただしSWファンを狙い撃ちにした描写の連続で二次創作物としてはハイレベルで、ファンならば見て損のないドラマとなっている。
感想
子供の頃、旧三部作(1977-1983年)は視力が落ちるくらい見まくった。当時はスターウォーズのファンと名乗っても良い状態だったと思う。
その後、新三部作(1999-2005年)で「う~ん」となり、続三部作(2015-2019年)で「うう~ん」となり、すっかりSW熱は冷めた。
ディズニープラスで量産された一連のSW作品群にも食指が伸びず、本作『マンダロリアン』も最初の3話を見たっきり飽きてしまい、放置の状態が続いていた。
結局、スターウォーズって宇宙船がバンバン飛び回るのを「すげぇ!」と思える技術レベルの年代にこそ輝いた作品であって、そんな映像いくらでも作れますよという時代に入ると、途端に精彩を欠いてしまうのだ。
というダークサイドの視聴者になってしまった私だが、『マンダロリアン・アンド・グローグー』(2026年)の公開が5月22日に迫っているので、突貫でマンダロリアン全24話の詰め込みに入った。
最初の視聴では3話で力尽きたと書いた通り、このドラマ、前半部分はあまり面白くない。
1話ずつが独立しているので連続活劇としての面白みがないし、シーズン全体を通じても大して話が進まない。
何せ、チビヨーダを欲しがっているのは帝国軍残党において相当上のランクの奴で、こいつが宿敵になるというシリーズ全体の方向性が示されるのが、シーズン最終第8話になってからなのだ。
それまでのエピソードは長い長い紹介編でしかなく、結局何も始まっていなかったという構成はいただけなかった。
ただしスター・ウォーズの、特に人気の高い旧三部作の二次創作物としてのレベルは高く、熱心なファン層を満足させる出来にはなっていたと思う。
「旧来のファンを喜ばせつつ、新しいファン層も獲得する」みたいな中途半端な姿勢はとっておらず、SW旧三部作を何度も何度も見てきたであろうコアなファン層を喜ばせることのみに特化しているのだ。
そもそも、マンダロリアンとは何ぞやという説明すらきちんとなされない。
スター・ウォーズの世界でT字型のヘルメットを被ってるやつは賞金稼ぎに決まってんだろという強気の姿勢が百戦錬磨。一見のことなんぞ一切考えていない。
チビヨーダも同じくで、パッと見であれがどういう生き物かが分かる人間以外は置き去りにされる。
これがファンの選民思想をくすぐる装置となっており、世界的な好評を受けたことにも一定の理解はできる。
西部劇や日本の時代劇への造詣が深いことも同じくだ。
籠城戦となる最終7・8話は『ヤングガン』(1988年)だったし、マンドーとジーナ・カラーノの二人で秘境の平和な村を守る第4話はモロに『七人の侍』だった。そもそもフルアーマーの賞金稼ぎとチビヨーダの組み合わせは『子連れ狼』だし。
ご存じの通り、ジェダイは日本の時代劇からとられたものだし、マンダロリアンの先輩にあたるジャンゴ・フェットはマカロニウエスタンからの命名だ。
そうしたモチーフへの言及があり、ファンサービスに余念がない。
ドラマとしての完成度は正直5点くらいだが、SWの二次創作物としてはほぼ満点に近い出来なので、間をとって7点くらいかな。


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