(2020年 アメリカ)
話の展開がイマイチ遅いという問題はシーズン1から継続しているが、それを補って余りあるほどファンサービスに余念がなく、SWの二次創作物としてのクォリティは向上している。
感想
『マンダロリアン&グローグー』(2026年)に備えたドラマシリーズ一気見もようやく中盤。
引き続きマンダロリアンとチビヨーダ(シーズン後半でグローグーという名前であることが判明)の冒険が描かれるのだが、前シーズンと同じく、大きなストーリーにはさして面白みはない。
シーズン序盤で描かれるのは、マンダロア再興に向けてマンドー(ペドロ・パスカル)が銀河に散った同胞を探し回るという話だったが、いつの間にやらチビヨーダをジェダイの元に送り届けることが旅の目的に挿げ替わっていた。
急な方向転換に、何か重要な展開を見落としたかなと思ったんだけど、本作はキャラと世界観を楽しむためのドラマなので、ストーリーなんてものはこの程度の塩梅で十分なのだろう。
ではSW的なキャラと世界観はというと、こちらはシーズン1をも遥かに凌駕する完成度となっている。
旧三部作からの人気キャラであるボバ・フェットに、アナキン・スカイウォーカー唯一のパダワンだったアソーカ・タノと、人気キャラを続々投入してくるという大盤振る舞い。
しまいには、『ジェダイの復讐』(1983年)当時の姿のルーク・スカイウォーカーまでを出してくる閉店セールレベルで、シーズン3以降はどうするつもりなんだと勝手に心配したほどだ(実際、シーズン3はアレな出来になってしまうのだが・・・)。
ルーク登場には燃えましたよ、旧三部作のファンなので。
そして戦線投入されたルークがベラボーに強いという描写にも感激した。
『ローグワン』で登場したダース・ベイダーがシャレにならんほど怖かったのと同じ現象なんだけど、ジェダイvsシスの抗争を見せられている段階では気付かなかった、一般人から見たシス及びジェダイは桁違いすぎるという描写は、やはり最高すぎる。
マンドーがたった一体でも苦戦したダークトルーパーの大群を軽々と捌いていくルークの雄姿はどうだ。
登場のタイミングと言い、シチュエーションと言い、ほぼ完璧だった。
またダークトルーパーのデザインが『宇宙空母ギャラクティカ』(1978年)のサイロンっぽいのも面白い。
このシリーズはSWのみならず、70-80年代のクラシックなSFのデザインをこまめに拾うというオタク気質に貫かれているのだ。
そういえばマンダロリアンの残党グループのリーダーに扮するのは、『宇宙空母ギャラクティカ』のリブート『GALACTICA/ギャラクティカ』(2003-2009年)のケイティー・サッコフだった。
あと、アソーカ・タノが出てくるエピソードで、敵側の守備隊長をしているのが『ターミネーター』(1984年)、『エイリアン2』(1986年)のマイケル・ビーンだったのも燃えた。
というわけで中年オタクとしての満足度は高かったんだけど、前シーズンから引き続き、一見に対してはかなり厳しい作品となっているのは確か。ていうか、ほぼ相手にしていないよね。
ボバ・フェットやルークとは何者なのか、言及すらされないのが凄い。
彼らの姿を見た瞬間に「お懐かしい!」と思える視聴者のことしか考えていないのだ。
あと気になったのは、主要キャラが良い人になりすぎているということ。
本来、血も涙もないバウンティハンターのはずのマンドーに「大事なのはグローグーだけ」と言わせてみたり、王者の証であるダークセイバーを思いがけず手にしたにも関わらず、自分には必要ないと言って求める者に無償で譲ろうとしたりと、まったくトゲがなくなってしまった。
本質は情け容赦のない戦士のままであってほしかったし、金目のものにはガメつくあってほしかった。それが、賞金目当てで銀河の果てまで標的を追い詰めるバウンティハンターとしての本分だろう。
それはボバ・フェットも同じく。
『帝国の逆襲』(1980年)で銀河最強のバウンティハンターとして登場し、その名声通りの手腕と戦略でハンソロを追い詰めた。またダース・ベイダーに対してもタメ口を聞ける不遜な態度がかっこよかった御仁である。
本作でいつダークな本性を現すかと思って見ていたら、頼れる味方になっていたのでキャラとしての魅力は下がったと思う。
その他、シーズン1の時点では死ぬほど嫌な奴だった囚人メイフェルドも、同一人物とは思えないほど良い奴になっていたんだけど、賞金稼ぎを善人の集まりにしてどうすんの。


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