(2026年 アメリカ)
見せ場の連続なのに手に汗握らない、同情すべきキャラクターが多いはずなのにエモくなっていかない、悪い意味で安定のネトフリクォリティ映画(元はソニー配給の劇場公開作の予定だったらしいが・・・)

感想
ネトフリに上がっていたので何となく見たら、何となく面白くなかった。
大型ハリケーンで浸水した街に外洋からサメが入ってきてエライことに!
という概要からは、バカバカしくも楽しい一大娯楽作を期待させられるんだけど、どうにもこれが盛り上がっていかない。
まず、中途半端にドラマをしようとしているのが良くない。
- リサ:臨月の妊婦さん。NY出身で、田舎町には彼氏の意向で引っ越してきたんだが、その彼氏がポーカー大会への出場のためいなくなってしまい、悪天候の中、一人で出産することに
- ダコタ:地元の若い女の子。すでに両親を亡くしており広い家には一人暮らしで、メンタルを病んでいる。ハンバーガーがご馳走扱いなほど生活は荒れている。
- 3兄弟:助成金目当ての里親に引き取られた子供たち。義両親から虐待を受けている分、兄弟間の結束は固い
登場人物は↑の3組でそれぞれに切実な事情を抱えている様子なんだけど、本作のジャンル的に、こうしたキャラ設定は本当に必要だったのか・・・
さらに悪いことには、監督はこのキャラクター達を全然扱えておらず、設定こそ手短に説明されるものの、彼らのドラマが後の見せ場に生かされることは一切ない。
86分というB級アクションと考えても短すぎる上映時間から何となく読み取れるけど、元はいろいろあったんだが、つまんないので人情話的な部分は全カットされたんだろう
・・・とはいえ、短い上映時間は悪いことばかりではない。とにかくサクサク進んでいく導入部は絶好調だ。
上映開始時点ですでに悪天候
その後みるみる状況は悪化していき、あっという間に雨は本降りとなる。
この手際の良さはどうだろう。
また劇場公開を目指して製作されたとだけあってVFXの完成度は高く、町が高波に飲み込まれていく様子は、ニュース映像でも見ているかのような迫真性だった。
その後に発生するサメパニックも、映像面では決して悪くない。
なんだけど、ハリケーン×サメというジャンルの掛け合わせには失敗していて、後半はただのサメパニックになってしまうのと、登場人物にさほど感情移入できていない状態ではサスペンスの切れ味も鈍ってしまう。
一応見せ場の連続なのに、全然手に汗握らないという娯楽映画の末期症状みたいになっていた。
こうなってくると、キャスト中で唯一のビッグネームであるジャイモン・フンスーの大活躍に一縷の望みをかけることとなるんだが、どうやら拘束時間数日のお手軽仕事だったらしく、男の中の男フンスーが、本当に何の役にも立たないまま終わる。
もうちょい何とかならんかったのか・・・

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