バーフバリ 王の凱旋【6点/10点満点中_面白いけど構成が雑すぎる】(ネタバレあり感想)

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6点/10点満点中

本作には141分の国際版と167分の完全版が存在するようなのですが、今回私が見たのは完全版の方でした。

問題点は前作よりも多い

歌あり踊りありのインド映画らしい娯楽演出や、論理を超越したストーリーテリング、異様に長い回想パートなどは前作の時点から問題だと感じていたのですが、続編の本作ではそれらの問題が改善どころかより悪化しており、映画としての質は前作よりも落ちています。

全体の8割が回想で本編がやっつけという倒錯した構成

25年前の父王・アマレンドラ・バーフバリの話が冒頭より延々と続き、主人公・シヴドゥの存在すら忘れかけていたのですが、上映時間が2時間10分になったところで「…と、いうことでございました」といきなり現在パートに戻り、長い長い回想が終わります。ここまで全部カッタッパの語りだったのかと驚いたと同時に、残り時間30分でどうやって話を畳むのかなと思って見ていると、ついさっき生い立ちを聞かされたばかりのシヴドゥがすでに王族の人間の顔となっており、テキパキと軍勢をまとめてマヒシュマティ王国への進軍を開始します。本作の時間配分は相当おかしいことになっています。

この物語の主人公はシヴドゥだったはずであり、父の話を聞かされた彼が戸惑い、そして王家の人間として目覚めるという過程は丁寧に描く必要があったにも関わらず、回想パートに大半の時間を使ったために肝心のシヴドゥの物語が薄くなった本作の構成は誤りでした。また、前作であれだけ丹念に描かれたアヴァンティカが本作ではほぼいないも同然の扱いだった点にもかなりの違和感がありました。こんな歪な形になるのであれば回想形式をとらず、第1部は父・アマレンドラ・バーフバリの物語、第2部は息子・シヴドゥ(=マヘンドラ・バーフバリ)の物語という分け方にした方が良かったと思います。

アマレンドラとデーヴァセーナの恋愛パートがつまらなすぎる

前作のシヴドゥとアヴァンティカのロマンス同様に、本作ではアマレンドラとデーヴァセーナの恋愛パートにかなりの時間が割かれているのですが、歌あり踊りありのインド映画らしい演出は相変わらず私には厳しかったし、道化を演じているアマレンドラとデーヴァセーナの行き違いをコミカルに描いているのですが、笑いの質があまりに古典的すぎて見ていて恥ずかしくなるレベルだったこともマイナスでした。こうしたインド映画の大衆娯楽的な部分はやはり苦手ですね。

シヴァガミがムカつく

前作では、我が子であるバラーラデーヴァと甥っ子のバーフバリを公正に評価しており、我が子であっても至らぬ点があれば見逃さないという高い徳と正常な判断力を持った人物としてシヴァガミは描かれていたのですが、本作では全然ダメなおばさんになっていました。デーヴァセーナに横恋慕した我が子バラーラデーヴァに「あの娘を嫁にもらってやる」と約束したものの、デーヴァセーナとその彼氏のバーフバリに婚姻を拒否されたことから「息子に対して約束した私の顔が立たなくなるじゃないの」と激怒。国の最高権力者である私の言うことを聞けないのなら王位継承はなしねと言ってバーフバリを外し、いったんは資質なしと判断したデーヴァセーナを王位につけてしまいます。王位ってそんな判断で変更していいほど軽いものではないし、後の悲劇につながる禍根を残したのは彼女だったと言えます。

また、勝ち気な性格で何でも口に出すタイプのデーヴァセーナがいちいち気に食わない様子で、「その態度は何よ」とぐちゃぐちゃとうるさい細木数子みたいな姑になってしまった点も不快でした。セクハラ軍人をデーヴァセーナが斬り付けてしまった件の裁判でも「あの女の言うことなんて聞けないわ」という感情的な態度をとり、双方の主張を聞いた上で冷静なジャッジを下すという姿勢すら見せないので、本作のシヴァガミは見ていて本当に不快でした。

一体いくつなんだ、カッタッパ

回想パートにて「60歳のじじいに言われたかないよ」とカッタッパがアマレンドラにいじられる場面があるのですが、現在パートはその25年後の話なのだから、カッタッパは85歳ということになります。85歳であの動きはさすがに無理ありすぎじゃないですか。カッタッパの設定年齢はもっと引き下げるべきだったと思います。

戦闘シーンは相変わらずのド迫力

ただし、戦闘シーンは依然として素晴らしいんですよね。生身のアクションとVFXの双方が非常に高いレベルで仕上がっているし、戦闘に流れがあるので単調な戦いにはなっていません。論理を超越した世界ならではのやりすぎ感も気持ちよく、ほとばしる熱量にも圧倒され、ありえない戦闘をお腹いっぱい堪能できました。また、バーフバリが活躍すると「♪●●神のようだ!」と神様に例えて彼を賞賛する歌が一小節だけ流れることも妙にツボで、この類の歌が流れる度に爆笑してしまいました。

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監督:S・S・ラージャマウリ
脚本:S・S・ラージャマウリ、K・V・ヴィジャエーンドラ・プラサード
原案:K・V・ヴィジャエーンドラ・プラサード
製作:ショーブ・ヤーララガッダ、プラサード・デーヴィネーニ
出演者:プラバース、ラーナー・ダッグバーティ、アヌシュカ・シェッティ、タマンナー
音楽:M・M・キーラヴァーニ
撮影:K・K・センティル・クマール
編集:コータギリ・ヴェンカテーシュワラ・ラーウ
製作会社:アルカ・メディア・ワークス
配給:ツイン(日本)
公開:2017年4月28日(インド)、2017年12月29日(日)
上映時間:167分(完全版)、141分(日本公開版)
製作国:インド

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コメント

  1. 匿名 より:

    この映画はバーフバリ。
    主人公はシブドゥではなく親子バーフバリの物語だから父の話も回想ではなく本編だと思う。