[2014年アメリカ]
5点/10点満点中
■あえてやってるのは分かるんだけど…
マイケル・ベイが『トランスフォーマー』の成功方程式を当てはめて作った作品なので低偏差値なのは事前にわかっていましたが、それでも我慢ならんほど愚かな話でした。
ティーンエイジャーという設定の亀達が愚かで無鉄砲なのは仕方ないとしても、出てくる人間全員がバカというのはどうなんだろうかと。何を目的に暴れてるのかが不明なフット団とか、出てきた瞬間に「こいつ、絶対に敵側の人間だろ」ということがバレバレのウィリアム・フィクトナーとか、「私はジャーナリズムをやりたいの!」とか言いながら無闇に事件に巻き込まれるだけのミーガン・フォックスとか、基本的には愚かな人が愚かなことを仕出かしながら進んでいく話なので、誰にも感情移入できませんでした。
亀が忍術を使うというとりわけ低いレベルのコミックが原作だし、あえて話のレベルも落としてきているということは理解できるのですが、方やMCUが大人の鑑賞にも耐えうる硬派な娯楽作としてマーベルコミックを実写化しているこのご時世に、ここまで子供騙しに振り切った話でいいものかと頭を抱えてしまいました。
■後半の怒涛のアクション攻勢は必見
とはいえ、『テキサス・チェーンソー/ビギニング』でスプラッタ映画の極北を見せつけたマイケル・ベイ×ジョナサン・リーベスマンという最凶コンビだけあって、後半の怒涛のアクション攻勢の質・量には圧倒されました。
本作のキービジュアルともなっている雪上を滑走しながらの大チェイスは他に似ている作品はないと言い切れるほどのオリジナリティとド迫力だったし、続くNYでのシュレッダーとの最終決戦も、アクションの面白さとキャラクター映画としてのかっこよさが両立された名アクションに仕上がっていました。
この後半のアクションパートこそが本作のやりたかったことだし、残りのパートは「一本の映画として成立させるために仕方なくくっついているもの」くらいの割り切りをもって作られているというマイケル・ベイの潔さには、ある種感銘を受けました。
TEENAGE MUTANT NINJA TURTLES
監督:ジョナサン・リーベスマン
製作:マイケル・ベイ,アンドリュー・フォーム,ブラッドリー・フラー,ゲイレン・ウォーカー,スコット・メドニック,イアン・ブライス
製作総指揮:デニス・L・スチュワート,エリック・クラウン,ナポレオン・スミス三世,ジェイソン・T・リード
キャラクター創造:ピーター・レアード,ケヴィン・イーストマン
脚本:ジョシュ・アッペルバウム,アンドレ・ネメック,エヴァン・ドーハティ
撮影:ルラ・カルヴァーリョ
編集:ジョエル・ネグロン,グレン・スキャントルベリー
音楽:ブライアン・タイラー
出演:ミーガン・フォックス,ウィル・アーネット,ウィリアム・フィクトナー,ウーピー・ゴールドバーグ
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