ナイト・マネジャー【8点/10点満点中_テレビフォーマットが最大限に生かされたスパイドラマ】

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陰謀
©BBC One

8点/10点満点中

ジャン・ル・カレの込み入った小説が原作

同じくジョン・ル・カレ原作を映画化した『裏切りのサーカス』には、あまりの分かりづらさにいささか辟易とさせられたのですが、本作についてはテレビシリーズという媒体が素材にぴたりとハマっており、格式の高さを残しつつも見やすい仕上がりとなっています。

合法企業の違法取引を暴くためにその経営者の懐に潜入したスパイの物語なのですが、ジェームズ・ボンドやイーサン・ハントのような派手な大立ち回りは皆無であり、ひたすらにジリジリとした心理戦が繰り広げられます。映画でやられると少々退屈しそうな内容ではあるのですが、一話45分程度に細分化されたテレビドラマであればこの内容でも視聴者側の生理に合っています。また、アカデミー外国語映画賞受賞経験もあるスサンネ・ビア監督の演出力が非常に高く、視線のわずかな移動のみでとんでもない緊張感を生み出しているという点も評価できます。特に最終話直前の異常な緊張感や、クライマックスのカタルシスには圧倒的なものがあり、かなり満足度の高い視聴となりました。

主人公の色恋にも違和感なし

主人公がターゲットの愛人との色恋に走るという展開についても、普通に考えれば「命がけのミッションの最中に何を色ボケしてるんだ」となるところですが、こちらもテレビシリーズの強みで二人の関係性をじっくりと描けたことで、きちんと悲劇の恋となっています。また、トム・ヒドルストンとエリザベス・デビッキの上品な美しさによっても低俗化が避けられており、映像化が実にうまくいっています。

理想的な悪役

役者で言えば、敵役のヒュー・ローリーのハマり具合も見事なものです。カリスマ性と洗練性に溢れていると同時に、「こいつに正体がバレるとどんな目に遭わされるか分からない」という威圧感を終始漂わせており、スパイものの悪役としてはほぼ理想形とも言える仕上がりとなっています。シーズン1の好評を受けてシーズン2も製作されるとのことですが、ヒュー・ローリーが演じたリチャード・ローパーに肩を並べるほどの敵役を作ることが製作陣にとって最大の課題ではないか。そう思わされるほど、本作のヒュー・ローリーは完璧でした。

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The Night Manager
監督:スサンネ・ビア       
製作:ロブ・ブロック       
製作総指揮:スサンネ・ビア、ジョン・ル・カレ、デヴィッド・ファー、トム・ヒドルストン、ヒュー・ローリー
原作:ジョン・ル・カレ『ナイト・マネジャー』
脚本:デヴィッド・ファー
出演:トム・ヒドルストン、ヒュー・ローリー、オリヴィア・コールマン、トム・ホランダー、エリザベス・デビッキ
放映日:2016年8月26日
放送局:BBC One(英)、AMC(米)
製作国:イギリス、アメリカ合衆国

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