タイタン(2018年)【2点/10点満点中_硬派なSFにもモンスターホラーにもなり損ねた駄作】

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[2018年Netflixオリジナル]

2点/10点満点中

太陽系で唯一生命の生存可能性のある星・タイタン(土星の衛星)への移住のために人体改造を行うというハードSFっぽい概要の作品なのですが、中身は特に知的でもなく、かと言ってバカバカしくも盛り上がる見せ場があるわけでもなく、時間によほどの余裕がない限りは避けて通るべき駄作でした。

■Netflixオリジナル作品

Netflixオリジナル作品には2種類あり、Netflixが製作発注したパターンと、何らかの事情で映画会社が配給権を手放し、Netflixがこれを買い取ったというパターンに分けられます。特に後者には悲惨な出来のものがよく含まれているのですが(例:『エクスティンクション 地球奪還』)、本作は配給権を持っていたボルテージ・ピクチャーズがNetflixに配給権を売却したという後者のパターンに当たります。

■全員の認識が甘すぎる

地球はもう限界なので他の星へと移住せねばというクリストファー・ノーラン監督の『インターステラー』みたいな話なのですが、ほぼほぼ自分は死ぬだろうと思いながらミッションを引き受けていた『インターステラー』のクルー達と比較すると本作の被験者達には自分達が使い捨ての実験台であるという認識が薄く、そのことが逼迫した世界観やミッションの切実さを悪い意味で緩和させていました。

だいたい地球外に対応できるように人体を改造するなんて十中八九死ぬとしか思えない実験だし、仮にその改造を生き延びたとしてもタイタンに骨を埋めて来いと言われて片道切符で送り出されることが関の山なのに、彼らは生きる気満々であり、かつタイタンでのお勤めが終われば家族の元に戻って来られるくらいのつもりでいます。さすがにおめでた過ぎでしょ。

さらには、主人公の奥さんは医学者であり、さすがに実験内容を理解可能な立場の人なのに、やはりこの人も実験の深刻さを認識しておらず、中盤で「約束と違う」とか言って責任者に食って掛かったりするのでズレた人に見えてしまっています。最初から分からんかったんかいと。

■ゆるゆるの実験

ただ、詰めや認識の甘さという点では軍の側も負けてはいません。これだけの実験なのだから被験者をラボに閉じ込めて食事や睡眠等のすべての動作を管理するものかと思いきや、毎日被験者を帰宅させているし好きなものを食わせています。これではえらくお手軽な改造手術に見えてしまうので、SFとしての風情がかなり損なわれていました。

また、中盤にて被験者の一人が凶暴化して家族を殺してしまい、出動した兵士に射殺されるというトラブルが起こります。この件では被害者を出してしまった上に、軍隊内の実験反対派からの突き上げも食らったのだから、事ここに至ってはさすがに被験者達を隔離するのかなと思いきや、それでも被験者を帰宅させるという緩い体制を崩しません。さすがに愚かすぎるでしょ。

■最後まで見せ場がない

なんだかんだ言いながらも実験は成功し、主人公は『プロメテウス』のクリエイターみたいな真っ白な人外へと変貌します。もう人間として生きられないんだからあれこれ思い悩んでも辛いだけだし、記憶を消す薬を飲んで楽になれと迫る博士に対して、座り込んで反対の意思表示をする主人公。

ここから『ザ・フライ2 二世誕生』みたいに人外と化した主人公が施設内でひと暴れしてくれればモンスターホラーとしての着地点は出来たと思うのですが、そうした勢いのある展開もなく、博士が捕まって終わりという何とも地味な終わり方をします。結局何がしたい映画だったんだという感じでした。

The Titan
監督:レナート・ルフ
脚本:マックス・ハーウィッツ
原案:アラッシュ・アメル
製作:ブライアン・カヴァナー=ジョーンズ、アラッシュ・アメル、ベン・ピュー、フレッド・バーガー、レオン・クラランス
製作総指揮:ロリー・エイトキン、ジョシュア・ホースフィールド、マイケル・ルーター、ロール・ベッセ、アドリアン・ゲラ、ニコラス・シャルティエ、ジョナサン・デクター
出演者:サム・ワーシントン、テイラー・シリング、トム・ウィルキンソン、アギネス・ディーン
音楽:フィル・アイズラー
撮影:ジャン=マーセロ・カール
編集:アン=キャロライン・ビーゼンバッハ
製作会社:ボルテージ・ピクチャーズ、モーション・ピクチャー・キャピタル、42・オートマティック・TAC
配給:ネットフリックス
公開:2018年3月30日
上映時間:97分
製作国:アメリカ合衆国、イギリス、スペイン

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