コロナ禍でペットブームがより加速したなどと言われておりますが、ペット界で人気を二分する犬と猫では、結局どちらが優れているのでしょうか。猫を飼い続けている実家で育ち、現在は自宅で小型犬2頭を買っている私の経験と客観データで考えてみます。
両者の比較
騒々しい犬・静かな猫
まずはっきりと違うのが声量ですね。犬はとにかく声がでかいし、吠える頻度も凄い。四六時中ワンワン言ってます。体が小さくてかわいい顔をしている子でも、声はでかい。それが犬です。
一方、猫は声が小さいし、その頻度も少なく、ほぼ無言で一日を過ごします。
また、犬はフローリングを歩くとカチャカチャと足音を立てるし、動作にも落ち着きが無くて、吠えてなくても常に騒々しい印象です。
その点、猫の仕草は優雅で気が付けばそこに居たという感じですね。
あと犬のおかしな習性として一人運動会と呼ばれるものがあるのですが、突然感情にスイッチが入って、狂ったように部屋の中を走り回ります。で、急に終わる。
あれが始まると騒々しくて仕方ないし、テンションが上がっている間は止めようもないので困ります。
臭いがキツイ犬・匂わない猫
犬は獣臭がします。興奮すると余計に臭いを発するし、犬を飼っている家庭はほぼ確実に匂います。あと口も臭いです。もちろん個体差はありますが、全然匂わないという子はいません。
一方、猫は基本的に匂いません。待ち伏せ型の狩猟をする生き物なので、自分の気配を極力消すように進化した結果なのでしょう。
舐め行動がしんどい犬・爪研ぎで部屋を荒らす猫
次に飼い主にとって厄介な習性の比較ですが、犬はとにかく飼い主を舐めてきます。
顔や口を舐めてくるのは愛情表現らしいのですが、上述の通り犬の口は臭いので、これがかなり迷惑。私はちょっとだけ舐めさせて「うん、わかったわかった」と言って引き離します。
そのお気持ちは受け取ってあげたいんですけど、やっぱり顔舐めはしんどいですね。
あと私がテーブルで何かしらの作業をしている時にひたすら足を舐めてくることもあるのですが、あれも嫌ですね。犬的には「遊んで」ということらしいです。
一方猫の行動で困るのは爪研ぎ。実家のふすまはボロボロでした。
対策としてペットショップでは爪研ぎ器が売られていますが、猫が100%爪研ぎ器だけを使ってくれるかというと現実には難しく、猫を飼っている知人宅はたいてい壁紙などをやられています。
また基本的に平面を動くだけの犬に対して、猫の動きには縦方向も加わり、何かに飛び乗ったりもするので、部屋のあらゆるものに傷がつく可能性は覚悟しておく必要があります。
メンテに手間がかかる犬・基本放置でいい猫
犬を飼っていて避けられないのが散歩で、獣医さんによると朝夕2回が理想とのこと。さすがにそこまでやっている家は少数派ではあるものの、犬の散歩という日課は飼い主の宿命です。
一方、猫については諸説あるものの、散歩を不要とする専門家もいるので、気が向いた時に散歩させてやる程度でも良さそうです。
また先ほどの匂いの問題に関連して、犬はシャンプーなどもこまめにしてやる必要があるし、短毛種でない限りブラッシングをしないとすぐに毛が絡まります。
一方猫は少々ほっといても匂ってこないし、自分で毛づくろいをしているので、長毛種でない限りはブラッシングの必要性もありません。
そして躾の必要性も全く異なります。
子犬を買ってきてすぐにやらねばならないのが躾。中でもトイレトレーニングは重要で、犬はどこにでも排泄する習性があるので、「トイレはここ!」と根気強く教えてあげる必要があります。
うちの犬などはもういいお年なのですが(8歳と10歳)、どちらかの子がした後のトイレはどうしても嫌みたいで、トイレが片付けられていないととんでもない場所でおしっこをしたりします。
一方猫は教えなくてもトイレで用を足すので、基本的に躾は不要です。というか、そもそも集団生活を送る生き物ではないので、躾けることができないという側面もあるのですが。
余談ですが、形状や大きさが多様な犬に対して、猫には基本フォームが一つしかないのは、躾けられないことが影響しているようです。
人間によるコントロールを受け付ける犬は、その役割に応じた品種改良が進んだのに対して、一切言うことを聞かない猫はネズミ捕りか愛玩用しか使い道がなく、品種改良が進まなかったんだとか。
ランニングコストは犬34万円/年・猫16万円/円
アニコム損保が発表するペットに係るランニングコストは、犬が34万円/年、猫が16万円/年となっています。
この結果では犬は猫の倍のコストがかかるということになるのですが、大型犬か小型犬かでコストはかなり違っていて、うちの実感としては、小型犬のコストは1万円/月程度というところですね。
家族の一員になる犬・おひとり様の猫
ここまで書いてきたほとんどの項目において、犬が猫よりも落ちるという残念な結果になったわけですが、それでも犬が絶対的に優れていると言えるのが、飼い主との関係性構築です。
飼い主とのスキンシップを好み、家族の一員として振る舞い、人間の感情変化にも敏感。飼い主が帰宅しただけで祭りのように喜ぶ、とにかくかわいいやつです。
一方猫はクール。群れる習慣がないので飼い主への関心はなさそうだし、その他にも興味のないことはほぼ無視。
ただ、気が向いた時に突然すり寄ってくるツンデレ加減は犬にはない魅力です。
ちなみにうちの犬は猫が心底苦手なのですが、その理由は子犬時代に実家の猫に対面させた際、挨拶をしようと近付けた顔に猫パンチを喰らったためでした。
このエピソードからも、気の良い犬と一人の時間を邪魔されたくない猫という違いが伺えます。
両方飼った経験のある私は犬派
犬・猫双方に魅力がありますが、両方の経験のある私個人の意見は、犬こそベストパートナーですね。手間もコストもかかるけど、それ以上の愛情を返してくれます。
実家の影響もあって元は猫派だったのですが、嫁からの要望で犬を飼い始めたところ、猫ではありえないほどの愛情深さに驚き、完全に犬派に転向しました。
一方、家の都合でそこまで手間をかけてあげられないのであれば、おひとり様のお猫様の方がペットと飼い主双方にとって良いチョイスになります。
【余談】犬も生物学的にはネコ目に分類される
最後に、犬と猫は同系列の生き物という話をします。
生物学的な分類では、犬はネコ目に分類されます。すなわち、犬はネコ目イヌ科イヌ属で、猫はネコ目ネコ科ネコ属というわけです。
そして犬と猫の共通の祖先は、今から4500万年前まで生息していたミアキスという原始的な哺乳類でした。
ミアキスは体長30cmほどで、胴長短足のイタチのような形状をしていました。ちなみにイタチはネコ目イヌ亜目に分類されます。
ミアキスは森林に生息しており、そのまま森林に留まった種族が猫に進化し、草原に出て行った種族が犬に進化して現在に至ります。
犬も猫も元を辿ると同じ生き物だったということで笑点お開き。また来週のお楽しみ、ありがとうございました。
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