ガンパウダー・ミルクシェイク_女性版ジョン・ウィック【5点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)

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エージェント・殺し屋
エージェント・殺し屋

(2022年 アメリカ)
モロにジョン・ウィックの影響を受けたシスターアクションだけど、作り手が意図したほど面白くはなっていない。アクションは様式に偏りすぎて熱を感じないし、無駄にややこしいドラマが連続活劇に必要な勢いを奪っている。

感想

劇場公開時より存在は認識していたけど食指が伸びず、Amazonプライムの近日配信停止一覧に載っていたので、駆け込みで鑑賞した。

ただしあまり面白くなかったので、従前の勘は当たってたんだなぁと思ったりで・・・

主人公は、ザ・ファームと呼ばれる組織で殺し屋稼業に従事しているサム(カレン・ギラン)

会計士がファームの金を盗んだというので、サムは金の回収と会計士の処刑に向かわされる。ミッション自体は簡単に片付いたんだけど、その金は誘拐された会計士の娘の身代金にするつもりだったというサブ情報を掴む。

自身も親子関係でいろいろあったサムは、この話を他人事だとは思えなくなってきた。身代金の引き渡し現場へと向かい、誘拐された少女エミリーの救出にこそ成功したものの、金は燃えてしまったので組織に返すものがない。

こうして組織から追われる身となったサムは、少女エミリーとの逃避行を余儀なくされるというのが、ざっくりとしたあらすじ。

ジャンルこそSFではないものの、殺し屋という職業がおそらく合法的に確立された、現実とは一線を画す世界観が構築されている。

組織化された殺し屋たちに、独特の様式美と、監督は『ジョン・ウィック』(2014年)からの影響を隠す気もない。”オマージュ”と言えば聞こえはいいが、あまりにもオリジナリティなさすぎじゃないのと思わなくもない。

アクションもジョン・ウィックのガンフーのようなスタイル重視のものとなっているが、カットを細かく切りすぎで俳優たちの肉体芸が見られないので、見せ方はうまくなかったと思う。

手足がスラっと伸びたカレン・ギレンはアクション映えするスタイルの持ち主だし、元アクション俳優のミシェル・ヨーもいるのだから、要所要所で彼女らの身のこなしをじっくり見せて欲しいところだった。

また見ようによっては本作の売りなのかもしれないが、人物相関図が無駄に込み入っていてアクションの勢いを邪魔しているような気がしてならなかった。

先述した通りファームの刺客たちがサムの敵となるのだけれど、それとは別に、一つ前の任務で殺した若造の親であるマフィアの組長、会計士の娘を誘拐した犯人たち(こいつらが何者だったのかは最後まで分からず)が立ち塞がる。

タランティーノやガイ・リッチーの映画のように込み入ったキャラクターが織りなすバイオレントでユーモラスなストーリーが意図されていたのだろうと思うけど、頭空っぽにしてアクションのコラージュを楽しみたい観客にとっては、これが結構なノイズになっている。

また、一人一人のキャラクターが監督が意図したほど魅力的ではないので、彼らのドラマを興味を持って見ることもできなかった。

あるいはシンプルに女性キャラクター達が大勢の男どもに立ち向かう話と思って見ればよかったのかもしれないけど(男性キャラは弱者とクズのどちらかしかいない)、性差別が問題になっている昨今、そういう描き方って問題だなぁとも思ったりで。

ともかくあんまり楽しめなかったので、感想も短めで終わらせていただく。

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