今、私たちの学校は…_面白すぎて寝る暇なし【9点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)

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終末
Netflix © 2021
終末

(2022年 韓国)
超絶ボリュームのゾンビドラマですが、一切のダレ場なしに突っ走るので、見ている側にも相当な胆力が必要です。終始ハラハラドキドキさせられ、容赦なく感情も揺さぶられる。鉄壁のNetflix×韓国ドラマの中でも、最高峰の作品だと言えます。

登場人物

ヒョサン高校生徒

放送室籠城組

  • イ・チョンサン:両親が唐揚げ屋を経営している。オンジョの幼馴染で、実は彼女が好き。冴えない見た目の割には格闘やサバイバルで強みを発揮し、グループの先頭に立つことが多い。
  • ナム・オンジョ:白いパーカーを羽織っている女子。成績は良くないがクラスでの人望がある。レスキュー隊員の父と団地で二人暮らしで、父仕込みのサバイバル技術を持っている。スヒョクが好き。
  • イ・スヒョク:元は不良グループにも関わっていたが、現在は抜けて不良に絡まれるいじめられっ子を助けている。イケメン。学級委員長のナムラが好き。チョンサンと並ぶ放送室籠城組の先導者的存在。
  • チェ・ナムラ:学級委員長。普段はイヤホンをして人づきあいを絶っている。口数は多くないが、グループ内でトラブルが起こった時には裁定を務めることが多い。
  • ヤン・デス:大柄なムードメーカー。ヒョサン高校のサモハンキンポー的存在。
  • イ・ナヨン:高級マンションに住むお嬢様で、ピンクのカーディガンを着ている。何もしない割に文句が多く、特に貧困層への差別が凄い。演じるイ・ヨミは『イカゲーム』(20201年)の不思議な少女ジヨン役でお馴染み。
  • ハン・ギョンス:チョンサンの友人。一見すると銀シャリ鰻似の冴えない見た目だが、ピンチにおいては滅茶苦茶よく動く。家が生活保護を受給しているため、金持ちのナヨンからいわれなき差別を受けている。
  • オ・ジュニョン:成績は全校1位の眼鏡オタクで、ドローン操作が得意。
  • チャン・ウジン:アーチェリー部のチャン・ハリの弟で、優秀な姉の陰に隠れがち。
  • キム・ジミン:パンツ姿の女子。ゾンビ騒動で両親を亡くしたことから悲観的になっており、ネガティブ発言が止まらない。
  • ソ・ヒョリョン:ピンク色のベストを着ている。ほとんど活躍しないが、揉め事の発端にもならないという空気のような存在。
  • イサク:オンジョの親友。明るい性格で、噂話が好き。

女子トイレ籠城組

  • パク・ミジン:タバコ好きのチョイ悪。サバイバル能力は高く、騒動開始時点よりゾンビ化した生徒を殺すなど、躊躇のない行動をとる。当初は他人を顧みなかったものの、次第に仲間を大事にするようになる。
  • ユ・ジュンソン:大柄でおかっぱ頭。臆病で積極策には反対することが多いものの、かといってネガティブではなく場の空気を弛緩させることも。放送室籠城組のヤン・デスといい、「大柄=明るい奴」という法則がこの高校には存在する。
  • チャン・ハリ:アーチェリー部のキャプテンで、韓国代表入りを嘱望されているスター選手。弟ウジンを探している。
  • チェン・ミンジェ:アーチェリー部員で、キャプテンであるハリからの指示には忠実。

その他

  • ユン・グィナム:不良グループの一人だがパシリ扱い、趣味は弱い者いじめというクズ中のクズ。ハンビ(ゾンビと人間のハイブリッド)化した後には、チョンサンを逆恨みして追いかけてくる。
  • キム・ヒョンジュ:ビョンチャンの息子をイジメていたグループの一人で、ゾンビマウスに噛まれた最初の感染者。彼女が病院に運び込まれたことで、感染はヒョサン市全域に拡大した。
  • ミン・ウンジ:グィナム達からの壮絶ないじめに遭っている女子。ハンビ化した後には、以前の性格とは正反対の危険な存在となる。
  • キム・チョルス:グィナム達からのいじめに遭っている男子。同じいじめられっ子ということでウンジに接近するも、あえなく断られた不幸な男。

大人たち

  • イ・ビョンチャン:元は製薬メーカーの優秀な研究者だったが、離職した後に化学教師に落ち着いた。いじめられっ子の息子を苦痛から解放するためにゾンビ・ウィルスを研究し、化学室に感染済のマウスを置いていたところ、これが感染源となった。
  • ナム・ソジュ:オンジョの父でレスキュー隊員。パク議員を守るという公務を果たした後、娘を救出するため軍の非常線を破ってヒョサン市内に入る。
  • ソン・ジェイク:ヒョサン市の刑事。ビョンチャンを取り調べた際に、化学室のPCにゾンビ騒動を終わらせるカギがあるとの情報を入手し、ヒョサン高校を目指す。
  • パク議員:地元の国会議員。緊急事態においても政略を巡らす人物だが、党から騒動の責任を被らされそうになる。
  • チン・ソチム:戒厳令を指揮する軍高官。一人でも多く救うことを目指しつつも、感染を拡大させないため断腸の思いで高校生を置き去りにするなど、いろいろと悩み多き司令官。

感想

ゾンビドラマの傑作登場

面白かった!

というのが見終わった感想で、1シーズン10話を基本とするNetflixドラマではやや長めと言える全12話構成ながら、一切のダレ場なしで最後まで見られました。

合計12時間ともなれば、さすがに一日では見切れなかったものの、佳境に入るとやめられなくなって、平日だというのに午前3時まで見た日もありました。

ここまでドラマに没頭したのって『24 -TWENTY FOUR-』以来のことで、本作の圧倒的な勢い、熱量には圧倒されました。

ゾンビ×学園ドラマ

何がそんなに良かったのかというと、ゾンビものと学園ドラマのハイブリッドという一風変わった趣向の作品であり、かつ、この二つの要素がほぼ完ぺきに仕上がっていたことです。

まずゾンビドラマとしては、完全無欠ともいえる完成度となっています。

ウィルスが社会に放たれた瞬間に阿鼻叫喚の地獄が出現し、スプラッター描写には一切の手加減なし。

ゾンビ単体ではさほど強くないものの、大勢に取り囲まれると対処が困難になるという、ロメロ以来の伝統的な戦力設定も守られています。

手の打ちようはあるのがだが、モタモタしていると退路を塞がれてしまう。

この絶妙なバランス感覚の元に展開される攻防戦には、終始ハラハラさせられっぱなしでした。

また、もうダメだとなったメンバーが仲間達のために自己犠牲を買って出るという、これまたゾンビものではお馴染みの展開も絶妙なタイミングで決まっており、ゾンビものに必要な要件を次々とクリアーしていくことには恐れ入りました。

かと思えば、ゾンビドラマあるあるとして、終盤にいくにつれてゾンビがほとんど関係なくなっていくということがあるのですが、本作においてはそうした心配は一切ご無用。最後までゾンビものとしてやり切ってみせます。こちらも好印象でした。

そこにかぶさってくるのが学園ドラマです。

学園内でゾンビ騒動が起こり、各自が襲撃を逃れられる場所を見つけて避難するのですが、当然のことながら気の合わない奴、いつもは敵対している奴だっています。

そうした苦手な相手とも歩調を合わせねばならないという点にドラマ要素が発生しているし、信頼関係のなさゆえに、実はゾンビに噛まれた傷口を隠しているのではないかという疑心暗鬼も発生するわけです。

かと思えば、A君はBさんを好きで、みたいな恋愛ドラマも発生する。

ゾンビものにおいて親子関係が描かれることは多いものの、男女の恋愛要素を主軸にした作品ってあまり見たことがありません。

しいて言えばブライアン・ユズナ監督の『バタリアン・リターンズ』(1993年)くらいですかね。

そうした一風変わった作風ではあるものの、意外や意外、ゾンビものと学園青春ドラマの組み合わせは実にうまくいっており、普段は恋愛ものを苦手とする私も、本作のドラマには結構見入ってしまいました。

好きな女子のために粋がって自己犠牲を買って出る男子という、ベッタベタの展開を感動的に仕上げているのだから、本作の脚本・演出は極めて高精度だったと言えます。

ある男子がゾンビに噛まれてしまってもう死ぬしかないというわけで、最後に囮役を買って出るのですが、その直前に意中の女子と心が通じ合ったものだから、「今日の俺は、この学校で一番幸せな男だ!」と叫んでゾンビをおびき寄せる。

今から死のうとする奴がそんなことを言えるんですよ。恋っていいですね!

なお、本作のヒロイン役のパク・ジフは、堀北真希と有村架純を合わせたような超絶美少女で、どこでこんな逸材を見つけてきたのだろうかと驚いてしまいました。

善悪が混濁としたドラマ

そんなわけでメインは学園ドラマではあるのですが、この危機に対処する大人たちの姿も並行して描かれます。

地元選出のパク議員はいけ好かないおばさん。「国会議員の私の救助がなぜ後回しなの」と嫌な発言をするのですが、それと同じ口で、家族を助けに戻りたいと言うレスキュー隊員に対して、「辛いけど、今ここで公務に徹しなければならないのが私たちなのよ」と、実にまともなことも言います。

このパク議員が象徴的なのですが、本作には絶対的な善人も、絶対的な悪人も登場せず、そこにあるのは未曾有の災害の中で手探り状態で対策を進めていく人たちの姿のみ。

時に冷徹な決断を下すこともあるものの、それは全体を守るために目の前の少数の命を犠牲にしなければならないという断腸の決断の結果であり、薄甘いヒューマニズムには浸っていません。

こうした硬派な姿勢により、綺麗事が一切通用しない緊急事態を描き出すことにも成功しており、ディザスター映画としても本作は一級品であると言えます。

グィナムの外道ぶりが光る

そんな中で、唯一ともいえる純粋悪がグィナム。

彼は不良グループの一員なのですが、腕っぷしはあまり強くないようで、グループ内ではパシリ扱いを受けています。しかし弱い者に対しては徹底的に容赦がなく、度を越したいじめをするので、ゾンビ化する以前からクズ中のクズでした。

そんなグィナムがゾンビに噛まれるのですが、例外的にゾンビと人間のハイブリッドである”ハンビ”に変化。

これによりグィナムの知覚、体力、回復力は人間を超え、しかもゾンビからの攻撃も受けないという、この世界におけるチートとなります。

そこにグィナム本来の残虐性や、それまでパシリとして扱われてきたことのコンプレックスなどが絡み、手のつけようのない乱暴者として生存者グループに襲い掛かってくるわけです。

こいつが場を荒らしまわってムカついて仕方ないのですが、こうした視聴者の憎しみを一心に集めるキャラクターがいると、ドラマは盛り上がりますね。ムカつくけど最高でした。

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