ザ・ユニオン_すべてがユルいアクションコメディ【4点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)

スポンサーリンク
スポンサーリンク
エージェント・殺し屋
エージェント・殺し屋

(2024年 アメリカ)
Netflixのアクションコメディは総じて低品質だが、本作も例に漏れず。まったく笑えないし、まったくハラハラしない。俳優は豪華だし、アクションの出来も悪くないので、頑張りようによってはもうちょっと何とかなったと思うんだけど。

感想

Netflixのホーム画面にやたら表示されるので、空き時間で視聴。

去年配信されたガル・ガドット主演の『ハート・オブ・ストーン』(2023年)があまりにイマイチで、Netflix製作のスパイ・アクションにはまったく期待していなかったんだけど、案の定、本作の出来も芳しくなかった。

マーク・ウォルバーグが扮するのはニュージャージーの建設作業員マイク。

生まれ育った地元を一度も出たことがなく、中年の年齢になった今でも未婚で実家暮らしという冴えない男なんだけど、高校時代の元カノ ロクサーヌ(ハル・ベリー)から25年ぶりの連絡があり、彼女の勤め先であるスパイ組織に引き抜かれるというのが、ざっくりとしたあらすじ。

その背景ではエージェントの名簿が闇市場に流出していた。

バイヤーがイランだの北朝鮮だのといったヤバイ国に売る前に、そのリストを取り戻すというのがマイクに与えられたミッションであり、かつ、ずぶの素人が急遽アサインされた理由でもある。既存メンバーは面を剝ぎ取られた状態にあるのだ。

エージェント名簿の流出は『ミッション・インポッシブル』(1996年)、異業種従事者を突貫でエージェントに仕立て上げるのは『トリプルX』(2002年)であり、根底部分はどれも既視感バリバリで面白みがない。

唯一の独自性といえるのはタイトルにもなっている「ユニオン」というスパイ組織の設定で、おしゃれな服装に身を包み、高級な酒を華麗に飲むというジェームズ・ボンド的なスパイ像とは対照的に、ブルーカラー色の強い組織となっている。

メンバーは『ウォッチメン』(2009年)で低所得ヒーロー ロールシャッハに扮したジャッキー・アール・ヘイリー、Netflix版『ルーク・ケイジ』で下町ヒーロー ルーク・ケイジに扮したマイク・コルターら庶民派の面々であり、こういう組織だからこそ現場作業員のマイクがリクルートされたという背景にもなっている。

なのだけれども、残念なことにユニオンの設定はほとんど生かされていない。ストーリーや見せ場において、彼らが庶民派である必然のある展開を構築できていないのだ。

加えて、見せ場になるとロクサーヌや他のメンバーも普通に現場に出ていくので、マイクを使わざるを得なくなった理由も没却していく。

設定とストーリーがここまで乖離した映画も珍しく、「企画倒れ」とはこういうことを言うのかと勉強になった。

とはいえ大スター共演の娯楽作ということで、アクションの出来は良い。繰り返されるカーアクションはなかなかのスピード感と迫力だったし。

こうして部分評価可能な要素があるからこそ、肝心のお話をもっと面白くできなかったのかと悔やまれるのである。

短いけど、今回の感想はここまで。多くを語れる要素のある作品でもないので。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
記事が役立ったらクリック
スポンサーリンク

コメント