トゥームレイダー ファースト・ミッション【4点/10点満点中_仕切り直しが裏目に出ている】(ネタバレあり感想)

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4点/10点満点中

ララ・クロフトを凡人からスタートさせた文字通りの仕切り直し

2001年と2003年に製作された旧シリーズは、映画としての完成度はともかく主演のアンジェリーナ・ジョリーのハマり具合には凄まじいものがあり、ララ・クロフトというキャラクターの構築には成功していました。

本リブートにあたってはアドベンチャー映画の王道をいった旧シリーズと同一路線で行くのか、すべてをひっくり返すのかという検討があったものと推測されるのですが、アンジー以上にララ・クロフトを体現できる女優さんは恐らくこの世に存在していないことから、キャラクター像の一新という道が選択されています。

主演は華奢な体形のアリシア・ヴィキャンデル。4か月の食事制限とトレーニングによって得たという素晴らしい腹筋こそ披露されるものの、それでもなお小柄な彼女ではまったく強そうに見えません。本作のララのキャラ造形は、格闘技の素養こそあるものの対戦相手の女子選手に落とされかける程度の実力だし、幼少期から父親に教わってきた弓矢もほとんど的に当てることができません。あるのは、冒頭の自転車レースとひったくり犯の追跡劇で示された向こう見ずさと、人数も体力も勝る相手と争う際の機転だけなのです。

さらに、本作のララは富豪ですらありません。父親の生存を信じて資産の相続を拒否し続けており、大学に通う金がなくてバイクメッセンジャーのバイトで辛うじて食い扶持を得ているだけの底辺女子です。


超越的なスーパーウーマンから底辺女子へという根本的なキャラクター像の変更はかなり興味深かったし、15年前に失敗に終わったシリーズのリブートに当たって前回とはまったく逆の道を選択したという基本戦略には合理性も感じられました。

大活劇とリアリティとの狭間に落ちた不安定なアクション映画

このようにララ・クロフトの人物像には大幅な変更が加えられている一方で、武装した敵対勢力を相手にオカルトアイテムの争奪戦を繰り広げるという荒唐無稽な物語はそのままであり、作品の温度感をなかなか掴むことができませんでした。

秘密結社トリニティなんて、世界制覇という漠然とした目的のために、本当に効果があるのかどうかも分からないオカルトアイテムを発掘するという恐ろしく不確実性の高いことをやっており、しかも拉致してきた地元民を奴隷として働かせるために傭兵を雇って監視させるというクソめんどくさいことまでしているのですが、傭兵なんか雇わず労働力に適正な対価を支払った方が安いのではないかという出鱈目加減で、見ている間中、ツッコミが止まりませんでした。
コテコテの大活劇であればこうした秘密結社の存在もさして気にはならないのですが、本作はなまじリアリティを追ってしまったためにアドベンチャー映画が抱える本質的な欠点が白日の下にさらされるという事態が発生しています。

また、ララを等身大の女子にしてしまったために、彼女が傭兵達から殴られたり蹴られたりする様があまりに痛々しくて見るに耐えないという問題も発生しています。アンジェリーナ・ジョリーとかシャーリーズ・セロンのような、男から殴られても平気そうに見える女優さんってアクション映画においては重要なんだなと、反面教師的に教えられました。

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Tomb Raider
監督:ローアル・ユートハウグ
脚本:ジェニーヴァ・ロバートソン=ドゥウォレット、アラスター・シドンズ
原作:スクウェア・エニックス『トゥームレイダー』(コンピュータゲーム)
製作:グレアム・キング
製作総指揮:パトリック・マコーミック、デニス・オサリヴァン、ノア・ヒューズ
出演者    アリシア・ヴィキャンデル、ドミニク・ウェスト、ウォルトン・ゴギンズ、ダニエル・ウー、クリスティン・スコット・トーマス
音楽:ジャンキーXL
撮影:ジョージ・リッチモンド
編集:スチュアート・ベアード、マイケル・トロニック
製作会社:メトロ・ゴールドウィン・メイヤー、ワーナー・ブラザース映画、GKフィルムズ、スクウェア・エニックス
配給:ワーナー・ブラザース映画
公開:2018年3月16日(米)、2018年3月21日(日)
上映時間:118分
製作国:アメリカ合衆国

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