【雑談】公認会計士が見るダメ上司の5大特徴(みんな逃げて~)

スポンサーリンク
スポンサーリンク
雑談
雑談

前回は能力も意欲も低い部下への対処法を書き、PVはさほど伸びなかったが、懲りずに続きを書いてみる。今回はダメ上司の特徴である。組織内での影響力が大きい分、ダメな部下よりもダメ上司の方が問題は深刻である。

部下から好かれようとしている

最近の若者はそうでもないらしいが、社会人歴が長くなってくると「〇〇長」という肩書きの一つも欲しくなるものであり、そこにはロマンがある。

たとえ小さな組織であろうが一国一城の主になったからには、トミー・リー・ジョーンズが演じるような部下との信頼関係の厚いリーダー像に、誰しもが憧れるものだ。

部下との関係が良好で、なおかつ組織目標もクリアーすることが理想なのだが、実際にこれらを両立できる器用なリーダーは稀だと言える。

組織の内側がしっかりと構築されていて平常業務は黙っていても完璧に遂行され、リーダーは上澄みのビジョンを語ってさえいればいい組織であれば、あるいは可能なのかもしれない。

しかし現実には、組織は内部に何かしらの問題を抱えている場合がほとんどであり、時に耳障りなことも言わなければマネージメントはできないのだ。

一方部下たちはというと、仕事の失敗を指摘されること、今やっている業務フローを変えられること、マインドの変化を求められることを極端に嫌がる。

かくして組織改革vs部下のご機嫌という二項対立が発生するわけだが、リーダーが選ぶべきはダンゼン前者である。しかし部下の顔色を過剰に気にして決めきれない上司は意外と多い。

ただし部下たちだって愚かではないので、自分自身や組織が問題を抱えていることくらいさすがに気づく。目前の変革は面倒くさがる一方で、「このままでいいわけない」という冷静な視点も持ち合わせており、問題を放置し続けるリーダーへの不信感を抱き始める。

部下のためを思って優しい判断を下すことが、結局はリーダー自身の評価を下げることに繋がるのだ。

優柔不断とワンマンのどちらかと言われれば、ワンマンの方が圧倒的にマシだ。それくらいリーダーの優柔不断は罪なんだけど、部下からの反発を気にして物事を決めきれなかったり、中途半端なところで緩めてしまうリーダーは多い。

部下から好かれるということは大事ではあるけど、それが目的化してはいけない。管理者としての職責を果たした後に、部下から好かれるという結果が伴うべきなのである。

何でもみんなで決めようとする

優柔不断の表れなのか、独断を避けて何でも部下と一緒に決めたがるリーダーもいる。

英知を結集する、組織内での合意形成を図るということはもちろん大事な価値観ではあるが、それは絶対ではない。話し合いにそぐわないことだってあるのだ。

典型的なのが組織内でのタスク割当で、部下の立場からすると、今やってる仕事以外のことを追加されたくない。彼らだって毎日忙しいのだから当然の反応だ。

しかし会社から命令が下りてきた以上、管理職としては彼らにやらせるしかない。

やらなきゃいけない、しかし部下はやりたがらない仕事をどうするのか?リーダーは自らの権限を行使して部下に命令するしかない。

しかしこのタスク割当を部下達と一緒に話し合いで決めようとするリーダーがいて、私は愕然とした。

「会社から指示が出てるんだけど」と言って部門のメンバーを集める部長。部下たちに指示を出すのかと思いきや、「『いつまでに・誰が・何を』をみんなで考えよう」と言い出した。

案の定、部下たちは「ただでさえ忙しいのに、そんなことまでやってられません」と言う。

そこを何とかと言いつつ議論を進めて「〇〇さんが適任っぽいね」という方向性は見えてきたが、すると名指しされた従業員が「だったら私が今やってる仕事を引き取って」と言い出し、今度は部下同士の仕事の押しつけ合いが発生。横のつながりで調整させると、たいていこうなる。

そうして部下たちが出した結論が「今は忙しいので対応できない」だった。まぁそうなるわな。

これに対して部長は「そうは言っても必要だから…」と言い、「必要だという結論はすでに出ているのに、なぜ私たちの意見を聞いてるんですか」と、ぐうの音も出ない反論を受けた。

この通り、リーダーの独断でしか進まないこともある中で、それを放棄すれば組織は立ち行かなくなるのである。

言うことがコロコロ変わる

ここまでは慎重すぎるリーダー像だったが、軽すぎるリーダーも、それはそれで問題である。

リーダーの発言は重く、その発言は組織内で援用され続ける。「部長がこう言っていた」は、従業員間ではなかなかのキラーワードなのだ。

しかしそうしたことに無頓着なのか、従業員の発言に中途半端に耳を貸し、半分くらいしか内容を理解していないにも関わらず、「うん、そうだね」と適当に言ってしまうリーダーがいる。

本人にとっては会話の中での相づちのつもりだったにせよ、話しかけた従業員にとっては「部長の許可をとった」になり、その一言が組織内で一人歩きを始める。

それでも記憶力の良いリーダーなら会話の内容を覚えていて首尾一貫した行動をとれるが、自分の発言を覚えていないリーダーは、まったく自覚のない中で数日前とは正反対のことを言い出し、従業員たちは混乱し始める。

そして「うちの部長は言うことがすぐに変わる」となり、今度は発言の権威性が損なわれるのだ。

この例は従業員から言質を取られたに近いところもあり、リーダーにも幾ばくかの同情の余地があるけど、自ら意思決定して後日に方向転換を繰り返すリーダーもいる。こちらは本当に無能だと思う。

そうしたリーダーは「臨機応変」「柔軟な判断」という美しい言葉を使って誤魔化すが、不測の事態が起こったのならともかく、よく考えればわかったはずのことに後日気づいて判断を変えるというのは、ただのミスジャッジだ。

「スピード感重視」と言い訳するリーダーもいるけど、ミスジャッジを繰り返すリーダーの姿を見ていると、従業員は「どうせ後で変わるから」と言ってすぐには動かなくなり、長い目で見るとスピード感まで失われる。

いまだに飲みニケーション頼み

最近風当たりの強い飲みニケーション。まずこれを肯定的に評価すると、効果を発揮する場面も依然としてあるにはある。

業務に直接関係ないことも含め、部下とサシで数時間も話すなんてオフィスでは不可能なので、直接本題に入りづらいケースでは飲みニケーションは有効。例えば真面目な性格なのにミスを連発して萎縮しまくっている若手には効果があった。

ただしあくまでサブ的手法であって、これがすべてになってしまうことは問題だ。

飲みの場なので話したことを双方あまり覚えておらず、本当に問題解決に繋がっているかというと、案外そうでもない。上司と部下が仲良くなるための場であり、それ以上でもそれ以下でもないと考えるのが妥当だろう。

また、最近の若い人は純粋に飲みの場を敬遠しているという問題もある。いかに中年が良かれと思っていても、相手が嫌がっている手法を用いることは逆効果だ。

要は、飲みニケーションは用法用量を守って正しく使いましょうねということなのだが、事ある毎に「飲みに行こう」と言うリーダーが令和の世にもいる。

飲みに行って話を聞くことを、彼らは割と真剣に特効薬として捉えているんだけど、実際には痛み止め程度のものだろう。酒に頼ったコミュニケーションは何となくいい気分になって終わりなので、実際は問題が解決していない。

であるから、飲みしかツールを持っていないリーダーは、問題解決能力が低いということになる。

また、仕事のことは業務時間内で解決するという原則を軽視する姿勢の表れでもあるので、ダイバーシティが重視される昨今の風潮とも相容れず、部下からは時代遅れで相手をする価値のない人に映ってしまうという問題もある。

組織内の全員が自分の部下だという意識がない

課長→部長→役員と職位が上がり、管理すべき領域が拡大してくると、リーダー個人にとって馴染みのない職務に従事している部下も持たされることとなる。

私自身、現在はグループのコーポレート機能全般を管理しており、うち経理や財務には詳しいのだが、人事や総務は自分自身でやった経験がなく、管理領域内にも濃淡がある。

ただし私個人の知見など組織図的には関係なく、経理部門も人事総務部門も、私の指示のもとで仕事をしている。

そんな状況下で、人事総務スタッフからの相談を受けた私が「よく知らないんだけど」という態度をとるとどうなるだろうか。おそらくそのスタッフは「あの上司は信用できない」となり、そのうち人事総務部門全体が私の管理を受け付けなくなるだろう。

だから不得意領域に対してこそ気合を入れて取り組まなければならないのだが、中には「私はその分野に明るくない」「あなたが決めて」とはっきりと部下に向けて言い放つリーダーがいるのだから恐れ入る。

例えば営業上がりで拠点を任されている所長。

事務が何をやっているのだか就任時点で知らないのだが、いつまで経っても知ろうとする努力をせず、良くも悪くも仕事に対して口出しをしない。

しかし問題があれば「事務がミスった」と言うので、権限を持たされていない状態で責任だけを負わされている事務方としては、当然気分がよろしくない。

そんな職場はどうなるか?古株が機嫌悪そうに仕事をして、嫌な空気を感じた若手はすぐに辞めていく。すると古株の仕事は余計に増えて、余計に機嫌が悪くなり、余計に若手が辞めやすくなるという負のサイクルに突入する。

これを見た管理職は「●●さん(古株の名前)が若手にキツく当たるからなぁ」と他人事のように言うんだけど、その根本原因を作っているのは自分だという認識はないので、組織内の問題は永遠に解決しない。

最後に

管理職とは牧羊犬だ。羊が勝手に柵に入ってくれないからこそ牧羊犬には存在価値があるにも関わらず、羊には通用しない犬ルールを強引に押し付けたり、羊任せにした挙句に「柵に入らない羊が悪い」と言い訳する牧羊犬=管理職がいる。

こういう管理職になってはならないという自戒の念も込めて、この記事を書かせていただいた。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
記事が役立ったらクリック
スポンサーリンク

コメント