【雑談】意識低い系部下をどう扱うべきか(ハラスメントと言われないように)

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雑談
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はたらきアリのうち8割は仕事をしていないという話もある通り、組織には生産性の高い者と低い者が併存している。ただし人間はアリほど機械的ではなく、生産性の低い者を何とかマシにしなければならない時がある。これが本当に大変なので、私の経験を基に対処法を書いてみた。

部下の扱いは難しい

私も中年なので一端の管理職ではあるのだが、そこで困るのが部下の扱いだ。

出した指示以上のことを迅速にこなしてくれる素晴らしい部下がいる一方で、能力も意欲も低い困ったちゃんもいる。

仕事がうまくいっていないことは明らかなのに改善のための工夫も努力もせず、できない理由を列挙して周囲からのアドバイスを突き返し、こんな状態なのは会社や上司が悪いからだと訴える。

本心からそう信じ込んでいるのか、自己防衛本能からくるものなのかは知らないが、そんな感じなので困ったちゃんは社内の不満分子であり、勤務時間中にも手を動かさずにくっちゃべっては、会社や上司、時にはできる同僚の悪口を言いまくって職場の空気を悪くするものだ。

私は今の会社に転職してまだ9カ月弱と日が浅く、在籍年数にモノ言わせて従わせるということもできない。しかも職場の半数は自分より年上なので、年長者としての発言力もない。そもそも私自身には他人から無償の尊敬を集めるようなカリスマ性もない。

そんなわけでナイナイ尽くしの極致であるわけだが、そうは言っても仕事はチームワークだし、上司には管理責任があるので、出来の悪い人間をいつまでも放置しておけないのが苦しいところだ。

ここで属性別の部下の傾向と対策を粗くまとめるとこんな感じになる↓

能力高い能力低い
意識高い高い目標を与えて成功体験を積ませる相談に乗る。手取り足取り教える
意識低い放っとく≪こいつが大問題≫

意識が高く、上司からの指示に付いてこようとする気持ちのある者は扱いに困らない。たまに飲み込みが悪い者もいるけど、思いの部分は違えていないので根気よく付き合うつもりさえあれば乗り越えられる。

問題は意識低い系であり、こちらが良かれと思って指導しても、彼らにとってはイランお節介ということがよくある。

そしてパワハラやモラハラといった管理される側にとって都合の良い言葉が溢れる時代なので、受け手側の感じ方は管理職にとってはリスクである。

昨今の潮流を考えると、望んでいない人間に対して無理に言って聞かせようなんてことは、上司であっても控えるのが無難だろう。意欲の低い部下のために自身の大事なキャリアをリスクに晒す義理もない。

その点で言うと、意欲は低くとも能力は高い部下ならさほど害はない。彼らは文句を言われない程度には仕事を仕上げてくるので、下手に刺激せず放っておけば問題を起こさないのだから。

問題は能力も意識も低い部下で、この層はアウトプットの質・量ともに不足しているので、放置し続けると他のメンバーが迷惑し始める。

そしてパフォーマンスの高い社員が頑張ることを阿呆らしく感じるようになれば、そのうちエース級から他社に転職するようになる。そうなればチームは崩壊するだろう。

意識低い系の思うところ

困ったちゃんへの対応の前提としては、そもそも彼らが何を思って日々を送っているのかを理解する必要があるだろう。

こうして偉そうに仕事論を書いている私も、若い頃は能力も意識も低いダメ社員だったので、幸か不幸か彼らの思うところは実のところよく分かる。

ブログのタイトル通り現在は公認会計士をやっているが、学生時代に資格をとったのではなく、新卒の会社でついていけなかったので将来安泰そうな資格を取ろうと思いたったのが始まりだった。

公認会計士試験合格後には監査法人に入ったが、ここでも恐ろしく仕事ができなくて4年弱で辞めて、一般事業会社に転職。こんなにダメな人間はいるのかって程のダメぶりだ。

資格の魔力でいきなり管理部門長という下駄を履かされての採用だったが、どうやら私は全体を把握し統括する仕事だけは向いていたようで、入社後半年で役員に抜擢してもらうなど、ここで人生初のできる人扱いを経験した。

そしてより大きな会社への転職を経て現在に至るのだが、こんなサラリーマン人生を送ってきたので、できない人間の生態には人一倍詳しい。

まず核心部分を述べると、できない人間は向いていない仕事をしている可能性が高い。

それは営業職か事務職かという職務属性的な齟齬であったり、現在は個人の自由裁量権が大きい組織に所属しているのだが、実は何事もカチっと決まっている官僚的な組織の方が向いているとか。

彼らも最初は人並みに頑張ろうとするのだが、そもそも向いていないので投入した努力分の成果を出せず、そのうち意欲も失ってしまい、余計に周囲から取り残されてしまうという悪循環の中にいるのだ。

もがき苦しんで諦めの境地に達したような状態なので、自分がどうこうという段階は遠の昔に終わっており、組織への不平不満ばかりを口にする。

実際、私も新卒時代にはそんな感じで、タバコも吸わないのに喫煙ルームに入り浸っていた。そこはできない人間の溜まり場で、会社が悪い、上司が悪いとみんなで愚痴るのが楽しかったし、仲間の存在に安心できた。

上司からは「あんな場所であんな奴らと話すな」「出来の良い奴と仲良くしろ」と至極当然のお叱りを受けていたが、行動パターンを改めることはしなかった。

客観的にやり切ったかどうかはともかく、少なくとも主観的には前向きな努力を一通りした後だと思っていたので、今さら何をやったって自分が良くなることはないだろうと観念していたのだ。

ただしそれをはっきり口にすると本格的に虚しくなるし、温厚な上司や会社からもさすがに見捨てられるかもしれないので、他者に責任転嫁して気持ちを胡麻化していた。

あんまり書いてると当時の荒んだ心境が蘇ってくるので、考察はこのくらいにしとくか(笑)

結論を言うと、能力も意欲も低い部下は一通りの努力が実らなかった後で、ある種の達観があるし、改善したいという目的意識すら捨ててしまった状態なので、良かれと思って何を言っても耳は貸さないってことである。

周囲のレベルを上げる努力が効果的

出来が悪いうえに指導も受け付けない奴をどうすればいいのか?直接的には何もしないのが正解だろう。

上述の通り彼らには他人の指導を受け入れる体制がないので、何を言ったところで双方にとって不快で生産性のないやり取りにしかならない。

改善する気のない部下と喋ってると、そのうちこちらの語気も強くなり、しまいにはパワハラと言われかねないので、直接触らないのが無難だ。

出来の悪い部下は「無敵の人」化していて、すでに自分の評価は落ち切っているので会社や上司からの悪い評価を恐れておらず、迂闊な接し方をすると凄まじい反撃を受けるリスクがある。

年がら年中、自己保身のことばかり考えているせいか、すぐに「労基に訴える」だの「裁判を起こす」だのと脅しをかけてくる。訴えて本当に勝てるかどうかは大した問題ではなく、出るところに出るぞと脅すだけでも会社や上司が怯むということが分かっているのだ。

だから困ったちゃんに直接触ろうとしてはいけない。

その代わりにやるべきは、仲間を減らすことである。

かつての私のように本格的に闇落ちた奴はいったん放置で、闇落ちしかかっているがまだ意欲が残っている者に対して丁寧な指導をし、最初は上司のアシストがほとんどであっても構わないので成功体験を積ませて、人並みレベルに引き上げる。

そうして仲間が目に見えて減っていけば、闇落ち組もさすがに環境のせいにはできなくなる。

そこで改めて自分を見つめなおし、もう一度努力してみるか、向いていない仕事には見切りをつけるかを決断する方向に持っていけばいい。

もしかすると「あいつは上司から目をかけられているのに、自分は放置されている」と不満を言い出すかもしれないが、それはそれでチャンスだ。こちらからの指導を再開するきっかけになる。

それで正常軌道に戻ってくれれば双方にとって御の字だし、失敗すればさすがに進退を考え始めることだろう。

従業員に何を期待しているのかを明確にする

そして従業員と対峙する以前に重要だと思うのが、チームとして一体何を期待しているのかを具体化することである。

営業職であれば売上高というボリュームのみで評価するのか、それとも利益にまでコミットさせたいのか。また個としての強さを求めているのか、チームワークや横の連携の方が重要なのか。

事務職であれば、決まった手続きを100点満点に反復してほしいのか、それとも柔軟性や適時性の方が重要で正確性は70点くらいでもいいのか。

出来の悪い従業員は不器用なので、それくらいにまで論点を絞り込んであげないと改善に着手できないし、管理者が曖昧な部分を残していると、それが彼らにとっての安住の地にもなってしまう。

仕事に対する気づきを指摘しようとしても、彼らは辛うじてできている部分の成果を強調しようとする。それが組織としてまったく求めていないことであっても、彼らにとっては「私はこんなに頑張っているのに」という言い逃れの根拠となってしまうのだ。

私の実体験を挙げよう。

ベテラン事務員さんの作業があまりに遅く、チーム全体のスケジュールにも悪影響を与えているので原因を確認したところ、他の人たちがExcel関数を使って数分で終わらせている突合作業を、なんと目視で行っていた。

さすがにこれは放置しておけないので「他の人たちと同じように作業していただけませんか」とお願いしたところ、「これだけ大変な思いをしてやっている仕事を否定するのは酷い!」という、よく分からん理屈での反論が始まった。

ご高齢の方にとっては、時間をかけて丁寧に見ることこそが「良い仕事」であって、ツールを使って一瞬で片づけてしまうことを「雑な仕事」と感覚的に捉えているフシがある。

「このチームは効率性を重視するので、office系のツールを使いこなしてください」ということを事前に明確にしておけばよかったのだが、私がそれを怠ったがために、この方は自分の美学を貫き、否定されると激しく反発するに至ったのだ。

職場における最も重要な価値観を明確にし、それをなおざりにしてまで他の努力をされても評価のしようがないということは、事前にはっきりさせておくということは重要なのである。

【余談】労働者が守られすぎていることの弊害

本論から外れるが、ここまで書いてきて思うのが、できない人間にどうしてここまで気を遣わなきゃいけないのかってことだ。

雇用契約とは双務契約だ。すなわち経営者側は約束した通りに給料を支払う義務があり、労働者側は約束した通りに職務遂行をする義務がある。

満足な成果物を出せもしないのに給料を貰えるのは自分の権利だと思い込み、うまくいかないことを会社や上司のせいにするって、双務契約という根本に立ち返ればめちゃくちゃな発想だ。

食えるものもロクに出せないのに一度入店した客から金だけはとる定食屋なんて成立しないが、なぜかダメ社員だけはそのロジックが成立するのだから、彼らが会社や上司を甘く見るのも当然かもしれない。物の道理としてありえないことが、日本の労使関係だけでは成立しているのだ。

「そもそも君はこの仕事に向いていないんじゃないか?」という話し合いは会社と従業員の間で当然になされるべきだと思うんだけど、パワハラと言われるのが怖くて、そこまでつっこめる管理職はほぼいない。

過ぎたるは及ばざるがごとしという言葉があって、労働者の権利が弱すぎるのも問題だが、かといって強すぎていいということにもならない。その弊害がはっきりと表れているのがいまの日本の雇用環境だろう。

今の会社の困ったちゃんを見るにつけ、管理職として決して口には出せないことではあるが、「そんなにイヤならこの会社から出て行けばいいのに」と思ってしまう。

決して嫌味ではなく、私自身の経験上、それでうまくいく可能性も十分にあるからだ。

人の流動性がないので、向いていない仕事に多くの労働者がしがみついてメンタルを壊しているが、解雇も頻繁だが転職も当たり前という社会になれば、前向きな人はいつか適職に巡り合えるのではないだろうか。

また解雇のしやすさと賃上げはトレードオフの関係にあり、不況時の人員整理がしやすいからこそ、会社の好況時には部下の賃金を上げられるし、それとは逆の社会では、悪気はなくとも経営者は賃上げに対して慎重にならざるを得ない。

硬直した労使関係の中で、労使ともにすり減っているように思えてならない。

さらに個人的な見解を述べると、今後の労働マーケットは「高い責任と権限を付与された本人にしかこなせないので時短不可能で、それゆえに給料が高い仕事」と、「組織内の誰でもこなせるほど単純化されているので時短可能で、それゆえに給料が低い仕事」に二極分化されていくと思う。てか、都市部ではすでにそうなっている。

一長一短あって必ずしもどちらが優れているというわけでもない中で、自分は一体どちらに入りたいのかを考えてキャリア形成することが大事になるだろう。

他責思考の人は、本人も無自覚の内に後者のキャリアに突入していると考えていい。なぜなら、会社は責任感のない従業員に高い裁量権など与えられないからだ。

それが思い描く自分の将来像と整合しているのなら今の仕事にしがみつけるだけしがみつけばいいし、違うと思うのなら変革が必要だろう。

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