チェンソーマン レゼ編_普段アニメを見ないおっさんの感想【8点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)

スポンサーリンク
スポンサーリンク
その他コミック
その他コミック

(2025年 日本)
人気漫画「チェンソーマン」の映画化企画。戦闘場面の迫力やスピード感が素晴らしくてきっちりと少年漫画しているのだが、それだけではなくちゃんと人間も描けているのが本作の強み。日本のアニメは凄いレベルに達していることを実感した。

感想

アニメ、漫画には疎くて、かなりの話題作を後追いで見ることしかしない。

チェンソーマンにしても、テレビシリーズ版をオンエアの1年後という周回遅れどころの話ではないペースで見て気に入った。

テレビシリーズ版は原作のトーンと違うとかで否定的な意見も多いようなんだけど、原作を読んでいない俺からすると一体何が悪いのか分からんほど楽しめた。

で、テレビシリーズが気に入ったもんだから本作は公開日に映画館へ見に行った。

お馴染みT・ジョイPRINCE品川のIMAX、やはりここのバカデカスクリーンは最高ですな。

話題作の初日レイトショーだけあって劇場はほぼ満員。初日のこうした熱気も大好きだ。

作品はテレビシリーズ最終話と時系列的に完全につながった状態で開始される。予習として全12話(総集編ではなく)を再鑑賞していった身としては、テレビシリーズをしっかり覚えている観客向けのこうしたサービスに嬉しくなる。

サムライソード戦の祝勝会の翌朝目覚めると、パワーの角が増えている。

彼女ら魔人(人間の死体に悪魔が乗り移ったもの)は人間性と悪魔性の間でギリギリバランスを取っているのだけど、現在のパワーは悪魔性強めで人間社会にお出しできる状態ではないので、今回はお休み。

デンジのロマンスにスポットが当たる回なので、女性のバディが居ては困るという作劇上の都合によるものだろう。パワーの元となった血の悪魔が女性なのか男性なのかは判然としないが。

サメの魔人ビームと急ごしらえのバディとなったデンジだが、男相手ではテンション上がらないということでビームを目に見えないところに追いやってのパトロール中、雨宿りをした電話ボックスで美少女と出会う。彼女こそが本作のヒロインにしてヴィランのレゼだ。

ポスターの時点で配給側も隠す気がないようなので私も包み隠さず言うが、レゼもまたチェンソーマンの心臓を狙っている悪魔である。

パワー不在時に仕掛けたハニートラップはジャストタイミングだったわけだが、これが偶然だったのか、デンジに接触するタイミングを以前より周到に伺っていたのかはよく分からん。

男のツボを知り尽くした感じでデンジに迫るレゼと、彼女のアプローチにメロメロになっていくデンジ。

美少女が一方的に自分を好きになってくれて、いろいろちょっかいをかけてくれて、勝手に服も脱いでくれる。冷静になれば怪しいことだらけなのであるが、未熟なデンジはすべてを有難く受け入れ、レゼへの好意を抱き始める。

デンジの心の探求というテーマと、このパートで見せる幼さや無防備さはうまく整合しており、テーマと作劇が見事に噛み合った構成力には舌を巻いた。またクモの巣にかかったアゲハチョウのインサートでそのウラを暗示する演出もセンス良い。

そして式次第通りに本性を表すレゼ(=爆弾の悪魔ボム)。

登場した瞬間に「こいつに勝つ方法があるのか?」と思わせる風体や威圧感を持っているのが素晴らしい悪役だと思っているのだが、それで言えば本作のボムも実にいい線いっている。

自信満々の言動に、それを裏付けるだけの攻撃力。

テレビシリーズ終盤でゾンビ軍団相手に大立ち回りを披露したサメの魔人ビームが、ボムの前からは尻尾を巻いて逃げ出す描写を加えることで、彼女は悪魔界においても破格の地位にいることが分かる。

少年漫画らしいこうしたパワー描写も、定番ながらよく決まっている。本作の演出は終始キレッキレで絶好調だ。

落下爆弾を模した頭部に、ダイナマイトや爆竹から構成させるボディ。しかし後ろ姿は裸の女性で、場面によってパンツ着用だったり丸出し状態だったりする。

怪物の上半身に艶めかしい女性の下半身を組み合わせるとまぁ気持ち悪いことはエヴァンゲリオンでも証明済だが、本作のレゼには白いパンツを履かせることで、その気持ち悪さをより強化している。

作者は、よくこんなデザインを思いついたものだ。マジで狂ってると思うぞ笑

レゼ編を映画として製作した理由がようやく分かった。深夜アニメとはいえ、こんな風体の悪魔を地上波放送することはできないからだ。

また声優さんの演技も凄かった。デンジを魅了する美少女から悪魔への転換を見事に演じきっているのだが、鑑賞後に調べると、つい先日感銘を受けた『タコピーの原罪』で主人公しずかを演じた上田麗奈だった。

私がアニメの声優に注目することはほとんどないのだが、彼女の名前だけはしっかり覚えておこう。

公安2課、4課、そしてチェンソーマンとの死闘の凄まじい迫力とスピード感には圧倒された。テレビシリーズの時点でアクション演出には目を見張るものがあったが、劇場版においてそのパワーは倍増している。

めくるめく戦闘場面で目を楽しませてもらった後には、デンジとレゼの再度の対話が描かれる。

愛した女性に裏切られたことで傷ついているであろう場面ではあるが、デンジはいつものデンジのままだ。

彼には傷つく心がないのか、それとも傷ついた心に気付いていないだけなのか判然としないが、ともかく湿っぽくなりそうな場面でもカラっとしているのがこのシリーズの特徴であり良いところ。映画のテンションが最後まで落ちないのだ。

最終的にレゼもまた心ある対応をするのだが、その変わり身が報われることはない。

カラッとしたデンジとの対比によって、彼女の悲惨な生い立ちが強調される。このバランス感覚も見事だったし、続いて流れるエンディングテーマ「JANE DOE」も心にしみた。

本作は少年漫画原作であり、娯楽性はキッチリ追い求めているが、それだけではない高いドラマ性もあって、両者は高い演出力で結び付けられている。

日本のアニメは、我々が子供の頃に親しんだ『ドラゴンボールZ』などとは別次元に到達していることを思い知らされた。

アニメファンの皆さんにとっては「何を今さら」かもしれないが、普段アニメを見ないおっさんは、その進化に驚きっぱなしである。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
記事が役立ったらクリック
スポンサーリンク

コメント

  1. ポチタ より:

    原作2部は作者が明らかにやる気が無くなってしまっているのでアニメパワーでも2部もその辺りパワーアップさせてほしいとこです

    • ようやっと原作を読み始めましたが、第二部は惰性って感じですよね
      ラオウ編の後の北斗の拳が何やってたんだかほとんど記憶に残っていないようなものでしょうか
      古い話ですみません(笑)