デアデビル(シーズン2)_有耶無耶に終わる正義論【6点/10点満点】

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マーベルコミック

[2017年Netflixオリジナル作品]

6点/10点満点中

デアデビル本格始動

シーズン1の空き巣チックなスポーツウェアから一転してついに赤のコスチュームを調達し、劇中での呼び名も「マスクの男」から「デアデビル」へと変更され、いよいよ活躍が本格化する本シーズンは序盤からフルスロットル。犯罪者の殺害を目的として銃を乱射するという規定外のダークヒーロー・パニッシャーの大暴れ、パニッシャーによる殺戮を止めようとするデアデビル、腹に一物持った地方検事の暗躍と、見せ場もドラマも第一話から濃厚で目が離せません。

興味深い正義論

昨今のヒーローものの定番である「正義とは何ぞや」という議論が本作でもなされるのですが、不殺のヒーロー・デアデビルと処刑人・パニッシャー、そして法曹界という多様な執行方法が入り乱れる本作では、特にこの議論が重視されていたように思います。

①デアデビルvsパニッシャー

法律の補完機能としてヒーロー業を位置付けているデアデビルに対して、法などアテにはならないという前提の下、街のゴミ掃除を自主的に引き受けているパニッシャー。両者の間では正義の在り方についての熱い議論が繰り広げられます。

両者ともにルールだけではどうにもならない現実を認識しており、仕方がないから実力行使をしている。そんな中でデアデビルは決して相手を殺さないことを最後の一線として捉えているものの、パニッシャーに「同じことだ」と言い切られてしまいます。すなわち、法を逸脱した時点でデアデビルの暴力は正しい暴力ではなく、相手を殺さないという一点のみでそれは肯定されえないという事実を容赦なく突きつけられるのです。

その手を血で染める覚悟をしているパニッシャーからすると、薄甘い理想論に閉じこもって一線を越えられないデアデビルは煮え切らない存在であり、それゆえにパニッシャーはデアデビルを「臆病者」と罵ります。これに対して返す言葉のないデアデビル。アメコミものの第2部はヒーロー苦悩編とされる場合が多いのですが、例に漏れず本シーズンもデアデビルの葛藤がドラマの中心となります。

②デアデビルvsエレクトラ/デアデビルvsレイエス

また、本作にはマードックの元カノであるエレクトラも登場しますが、彼女はパニッシャー以上に殺しに対する抵抗感を抱いておらず(時に、楽しんで殺しているようにも見える)、「敵意をもって向かってくる相手は殺して当然でしょ」という姿勢で事に当たります。

さらには、法曹界の重鎮であるレイエス検事は保身のためにパニッシャーことフランク・キャッスルの過去に係る秘密を揉み消そうとしている様子であり、マードックが重視している法律の運用すらおかしくなっています。そんな中で、昼は弁護士マット・マードックとしてフランク・キャッスルの弁護、夜はデアデビルとして自警団活動に励み、おまけに昼夜を問わず無茶ぶりしてくるエレクトラの仕事にも付き合わされるという三重生活でマードックは追い込まれていきます。

正義論についての着地点が曖昧

ただし、正義の在り方を巡るやりとりには明確な答えがなく、終盤では圧倒的な組織力を誇る闇の手との戦いで「不殺なんて手緩いことをやっていたら勝てない」という状況に追い込まれてデアデビルもなし崩し的に殺しに手を染めるという、なんとも中途半端な展開を迎えます。

前半でのネタふりを考えると、デアデビルが悩んだ末に殺しによる正義の執行に辿り着くか、もしくは最後の最後まで不殺を通すかのどちらかしかなかったと思うのですが、そうした本来必要だったはずの葛藤がすっ飛ばされたことにはガッカリさせられました。

詰め込みすぎたシーズン

やはり、13話しかないシーズンにおいて2名もの新キャラを登場させたことが失敗であり、パニッシャー編に内容を絞るべきだったと思います。『ザ・ディフェンダーズ』に向けて構成要素を揃えねばならないという製作者側の裏事情も理解はできるものの、本シーズンは詰め込みすぎでした。

≪マーベル×Netflix≫
デアデビル(シーズン1)_素晴らしいキャラ達いっぱい【7点/10点満点中 】
デアデビル(シーズン2)_有耶無耶に終わる正義論【6点/10点満点】
デアデビル(シーズン3)_壮絶なドラマと鬱展開…つまり最高のデアデビル【9点/10点満点中】
パニッシャー(シーズン1)_コミックを越えたバイオレンスヒーロー【8点/10点満点中】
パニッシャー(シーズン2)_すべてが失敗しており全く面白くない【4点/10点満点中】

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