マクマホン・ファイル_絶対見ちゃいけないレベルのつまらなさ【1点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)

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陰謀
陰謀

(2020年 アメリカ)
まったく面白くないダメ映画。あまりにも脈絡なく物事が起こり、勝手に収束し、そして前に起こった出来事が後の展開に影響を与えずに過ぎ去っていくものだから、次第に見ていることがバカバカしくなってきます。主人公が何をやりたいのかもよく分からず、彼女のパーソナルなドラマは途中で寸断され、何一つ良いことがありませんでした。

©Netflix

あらすじ

1982年、新聞記者のエレナ・マクマホン(アン・ハサウェイ)はニカラグア内戦を取材中にアメリカ製の銃弾を拾い、アメリカ政府が中南米に武器を密輸し、紛争に加担しているのではないかという疑問を抱いた。

そんな折に長く疎遠だった父リチャード(ウィレム・デフォー)が病院に担ぎ込まれたとの知らせが入る。エレナはリチャードの元に駆けつけるが、病床にも関わらずリチャードは間近に迫った取引のことを心配している。それは中米コスタリカに米軍の武器を密輸するというものであり、エレナは父の代理として取引に参加し、潜入取材を行うことにする。

スタッフ・キャスト

監督・脚本は『マッドバウンド 悲しき友情』のディー・リース

本作と同じくNetflixで『マッドバウンド 悲しき友情』(2017年)を監督し、アカデミー助演女優賞、脚色賞、撮影賞、歌曲賞にノミネート。アカデミー脚本賞にノミネートされた初の黒人女性となりました。

主演はアン・ハサウェイ

ジャーナリストの主人公エレナ・マクマホンを演じるのは『レ・ミゼラブル』(2012年)でアカデミー助演女優賞を受賞したアン・ハサウェイ。同じくNetflixの『セレニティー:平穏の海』(2019年)にも出演していましたね。たいそう低評価な映画でしたが。

彼女は『ダークナイト ライジング』(2012年)でキャットウーマンを演じたことがあり、ベン・アフレックとの共演はキャットウーマンとバットマンの共演ということになります。

共演はベン・アフレック

国務省関係者トリート・モリソンを演じるのはベン・アフレック。本業は俳優なのですが、どちらかというと脚本家・監督としての評価の方が高く、『グッドウィル・ハンティング/旅立ち』(1997年)でアカデミー脚本賞、『アルゴ』(2012年)でアカデミー作品賞を受賞しています。Netflixでは『トリプル・フロンティア』(2019年)に出演。

感想

混乱しまくった話

冒頭、エルサルバドル内戦の記録映像に合わせて戦況を伝えるためのテロップが次々と表示されるのですが、断片情報が脈絡なく流れていくので何が言いたいんだかよく分からず、結局、私の頭には何の情報も残っていませんでした。

恐ろしいのは、本編では2時間近くに渡ってこういう状態が続くということです。

登場人物はみな真剣な表情で、何か大変なことが起こっているということは分かるのですが、あまりにも脈絡なく物事が起こり、勝手に収束し、そして前に起こった出来事が後の展開に影響を与えずに過ぎ去っていくものだから、次第に見ていることがバカバカしくなってきます。

今は何の話をしていて、物語はどの方向を目指して動いているのかという整理もなければ、サブプロットがメインプロットと絡み合って一つの流れを作るということもありません。かなり早い段階から映画に対する関心は失われ、見続けることがほぼ苦行となりました。

行動が支離滅裂なエレナ

そもそも、エレナが必死で追いかけることとなる「アメリカ政府が中南米に武器を密輸している」ということは、冒頭のニカラグアで彼女自身が拾った銃弾がアメリカ製だったということで結論が出ています。

というか、冷戦時代に米ソが世界中に武器をばら撒いて紛争の火種を作っていたことなんて、当時の世界の常識でした。あらためてそんなことを強調されたって、「なんと、はるな愛は男だったんです!」と言われているようなものです。エレナが、今更どんな新情報が欲しくて潜入取材をしたかったのかが見えてきません。

取引の決定的瞬間を写真に撮るとか、武器の密輸経路を辿ってその先端にはアメリカ政府がいることの動かぬ証拠を押さえてみせるとか、明確な目標設定をしてくれればよかったのですが、そういったものは一切なし。

で、ジャーナリスト魂を燃やしてコスタリカに潜入したはいいが、彼女は基本的に逃げ回っているだけで取材をしている様子がないので、そんなことならさっさと出国しろとイライラしてきます。

置き去りにされた親子のドラマ

本作は親子のドラマでもありました。

エレナは最近母を亡くし、幼少期に離婚して家を出て行った父リチャードとは疎遠なままでした。しかしリチャードが病院に担ぎ込まれたことで数少ない身内に対する情が戻り、人生をかけていた仕事を投げ出してまで父に寄り添おうとします。

また、エレナには娘もいます。しかしこの子の父である夫とは離婚し、エレナ自身は仕事で忙しいものだから娘を寄宿学校に入れています。寂しがる娘から電話がかかってきても「まぁ頑張ってよ」くらいのことしか言いません。

かつてエレナは家庭を顧みないリチャードを憎んでいましたが、今度はエレナが娘に対してリチャードと同じことをしているというわけです。

取引の代役となってリチャードの立場に立つことで父を理解し、あれほど憎んだ父と今の自分には大差がないことを知って娘に対する態度を改めるという物語が作品の横糸だったのだろうと思うのですが、これもまた十分に処理されていませんでした。

リチャードは中盤で訳アリとしか思えない死に方をするのですが、父の死に対しエレナは悲しみも怒りも表現せず、またその後の展開に父の死が影響することもないために、ここでプツっと親子のドラマが終わってしまうのです。

さすがにそれはダメでしょ。

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