ワンダヴィジョン_惰性で見て辛かった【5点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)

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マーベルコミック
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(2021年 アメリカ)
MCUフェーズ4に影響しそうな作品なので半ば義務的に見てたのですが、事前の期待値の通り、あまり楽しめませんでした。前振り的なパートが長すぎるし、魔法を使い始めると何でもありになり過ぎるので冷めるし。

登場人物

MCU続投組

  • ワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチ(エリザベス・オルセン):超能力者で、元はヒドラやウルトロン側の人物だったが、悪人に利用されていることに気付いてアバンジャーズ側に寝返ったというMCUのウォーズマン(アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン)。その後ヴィジョンとパートナーになるが、サノス対策として彼のパワーの源であるマインド・ストーンを破壊(アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー)。自らの手でパートナーを殺めたということになり、大いに気を病む。
  • ヴィジョン(ポール・ベタニー):元はトニー・スタークの人工知能だったが、トニーとブルース・バナーによって人造人間としての実体を与えられた(アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン)。リアル・アンパンマンという感じの見てくれだが、心もアンパンマンレベル。混じりっけなしの善人であるため、ムジョルニアを持ち上げることもできる。サノス戦に当たり、パートナーであるワンダに動力源であるマインド・ストーンを破壊させた(アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー)。
  • ピエトロ・マキシモフ/クイックシルバー(ラルフ・ボーナー):ワンダの双子の兄で、高速移動能力を持っている。ワンダと同じくヒドラやウルトロンに利用されていたが、後にアベンジャーズ側に寝返り、ホークアイをかばって絶命した(アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン)。
  • モニカ・ランボー(テヨナ・パリス):キャプテン・マーベルの友人であるマリア・ランボーの娘で、『キャプテン・マーブル』(2019年)での初登場時には11歳だった。現在は、母が設立したS.W.O.R.D.(知覚兵器観察対応局)の隊員となっており、ワンダが起こした騒動の対応に当たる。
  • ダーシー・ルイス(カット・デニングス):『マイティ・ソー』(2010年)にはセルウィグやジェーンの助手として登場したが、現在は一端の天文物理学者。外部コンサルとしてS.W.O.R.D.に協力する立場であり、ワンダ騒動対応に当たる。
  • ジミー・E・ウー(ランドール・パークス):『アントマン&ワスプ』(2018年)で初登場したFBI捜査官。アントマン=スコットの監視役だったが、双方の人柄の良さもあって仲良くなった。本作ではS.W.O.R.D.の応援のために派遣された。

新参組

  • タイラー・ヘイワード(ジョシュ・スタンバーグ):S.W.O.R.D.(知覚兵器観察対応局)の現長官で、今回の事件の陣頭指揮を執る。ワンダを一方的に悪と決めつける、現場の進言を無視して強硬策と取ろうとするなど、とにかくいけ好かない奴。
  • アグネス(キャスリーン・ハーン):ワンダが主演のシットコムにキャラクターとして登場し、世話焼きな隣人という役柄であるが、正体は本物の魔女。
  • トミー&ビリー・マキシモフ:いつの間にか妊娠していたワンダが、妊娠発覚後わずか2日で出産した双子。トミーは叔父のクィック・シルバーと同じく高速移動能力を、ビリーは母ワンダ同じくテレキネシス能力を持っている。

感想

ほぼ義務的に鑑賞

配信開始から1年以上経過しており、何を今更という感じの『ワンダヴィジョン』。

個人的にMCUには飽きてきていて、ディズニープラスには加入しているものの本作は見なくてもいいかなと思っていました。

が、2022年5月公開予定の『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』にワンダ/スカーレット・ウィッチが出てくるということで、『エンドゲーム』後の彼女を描いた本作を押さえておく必要がありそうだったので鑑賞しました。

「個別作品にあんまり関心はないんだけど、一応見とかなきゃ」という後ろ向きな動機から鑑賞するのが最近のMCUへの姿勢になっているのですが、これは本当によくありませんね。子供の頃、惰性で『ドラゴンボールZ』を見続けていた時の感じですよ。

「そんなに嫌ならやめれば?」と言われるかもしれませんが、そうは言ってもMCUのポテンシャルは高く、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ2016クラスの映画をもう一度出してくる可能性はあるので、「一応見とくか」をやめられないんですよ。

嫌よ嫌よも好きのうちと言いますか、また素晴らしいものを出してくれるはずだという期待があるからこそ、文句言いながらも見続けているわけです。

サクっと見られるボリューム

スター・ウォーズ系もそうですが、ディズニープラスのドラマは1話30分程度を標準サイズとしています。

毎回6~7分もある映画並みに長いエンドクレジットを除くと30分未満で終わる回もあって、全9話とはいえ、固めれば半日で見られる程度のボリューム。

そこまで長くはないので、義務的に鑑賞をしている私のような視聴者層にとっては、気楽に消化できる程度のボリュームなのは有難い限りでした。

とはいえ前振りが長すぎる

話の内容は、シットコムのような世界でワンダ/スカーレット・ウィッチ(エリザベス・オルセン)と人造人間ヴィジョン(ポール・ベタニー)が、ドタバタコメディを繰り広げるというもの。

シットコムとはシチュエーションコメディの略で、『フルハウス』や『フレンズ』がその代表格なのですが、大衆向けの明るい内容で、客席の笑い声という演出が入るのがその特徴。

で、ワンダに扮するエリザベス・オルセンの姉である双子アシュレー&メアリー=ケイトが『フルハウス』のキャストだったことから、この内容が選択されたのかなと思います。

アメコミ映画の続きがシットコムという意表を突いた設定には驚かされたし、モノクロの世界にカラーのオブジェクトが割って入って来たり、合間に挿入されるCMでヒドラのモチーフがさりげなく登場したりといった違和感の与え方もお見事でした。

ただし、ヴィジョンは『インフィニティ・ウォー』で死亡している上に、その動力源だったマインドストーンは永遠に失われているため、彼が復活して動いているということはあり得ない。

よって、この世界はワンダが作り出した偽りのものであるということは誰の目にも明らかであり、バレバレのミステリーで引っ張り過ぎてもなぁという感じでした。

上司が家に食事に来るという第一話なんて全体から振り返ると本当に何の意味もなくて、これを含む1~3話は見なくても全然問題ないレベルではないかと。

本当はもっとコンパクトにできる話を、ある程度のボリュームが欲しいディズニープラスの事情で引き延ばされたという気がしないでもありません。

魔法で何でもありの世界は萎える

後半にて、案の定このシットコム風の世界はワンダが作り出したものだったということに。なお、この世界の構成要素には以下の3種類があるようです。

  • ワンダの魔法でコントロールされた実在の住人
  • ワンダが無から作り出した家族
  • アグネスが持ち込んだ要素

アグネスとは数百年間生きている魔法使いであり、ワンダの力に関心を持ち、それを奪うためこの世界に自ら潜入したとのこと。

そして、いくらでも物理法則を無視できる魔法使い同士の争いって萎えますね、何でもあり過ぎて。特に無から有を生み出せると言われてしまうと、取り留めもないことになってしまいます。

今後も、演じていた俳優との契約さえ締結できれば、死んだキャラクターの復活なんて自由にさせられそうだし。

作品解説 ※ネタバレあり

ピエトロ/クイックシルバーについて

本作にはワンダの双子の兄のピエトロ/クイックシルバーが『エイジ・オブ・ウルトロン』(2015年)以来の再登場を果たすのですが、そのことにSNSなどがざわつきました。

『エイジ・オブ・ウルトロン』でクイックシルバーを演じたのはアーロン・テイラー=ジョンソンだったのに対して、本作のクイックシルバーはラルフ・ボーナーが演じているのが、その原因。

ラルフ・ボーナーは『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014年)と『X-MEN:アポカリプス』(2016年)でクイックシルバーを演じており、ついにX-MENがMCUに参戦かとファン達が盛り上がったのでした。

原作コミックにおいてクイックシルバーとスカーレットウィッチはX-MENのヴィランであり、マグニートーの実子という設定だったのですが、いろいろある中でアベンジャーズにも参加するようになっていました。

そんな事情があったので、フォックスが進めてきたX-MENシリーズと、ディズニーが進めてきたMCUシリーズの双方に異なるクイックシルバーが登場するという混乱状態が発生してきたのですが、今回、X-MEN側のキャストがMCUに顔を出したことで、両ユニバースが統合されるのではとの期待が高まったのでした。

たたみかけるように、本作でのクイックシルバーはハロウィーンでの仮装でウルヴァリンのような髪型をしており、「これはいよいよ来たかも!」とファン達はざわつきました。

が、結局のところラルフ・ボーナー扮するクイックシルバーはアグネスが連れてきた偽物であり、ただのキャスティング上のお遊びだったので、ファンが落胆させられました。

ポストクレジットの意味

MCUお馴染みのポストクレジットシーンは、本作においても存在します。しかも2つも。第9話のクレジット後にあるので見逃し厳禁です。

まず一つ目。現場の後片付けをするモニカ・ランボーを、あるエージェントが事情聴取と称して連れ出すのですが、そのエージェントはスクラル人であり、「古い友人がモニカに会いたがっている」と言います。

スクラル人が初登場したのは『キャプテン・マーベル』(2019年)であり、同年の『スパイダーマン/ファー・フロム・ホーム』(2019年)でも、宇宙にいるニック・フューリーに化けて地球での仕事をしていました。

ここで言う「古い友人」とは恐らくニック・フューリーのことで、『キャプテン・マーベル』の続編『ザ・マーベルズ』(2023年)に繋がっていくものと思われます。

なお、コミックにおいてモニカは2代目キャプテン・マーベルであり、アベンジャーズのリーダーを務めた時期もありました。

二つ目。山小屋で一人暮らしをするワンダが映し出されるのですが、別の部屋では幽体離脱をしたスカーレット・ウィッチが、何やら本を読んでいます。

これはアグネスが話していた禁断の魔術書「ダークホールド」であり、これまで感覚で超能力を使ってきたワンダが、本格的な魔術の習得を始めたということなのでしょう。

このポスプロ場面は『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022年)に繋がっていくものと思われます。

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コメント

  1. 匿名 より:

    せっかくだからウィンター・ソルジャーの感想も詳しく聞きたいです