マーベルズ_ヒーローこそが戦争の火種【3点/10点満点中】(ネタバレなし・感想・解説)

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マーベルコミック
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(2023年 アメリカ)
強すぎて制限かけられまくりのヒーローの戦いは、終始盛り上がりに欠けた。テレビドラマが大いに関係した内容は観客を蚊帳の外に置きまくりで、最近のMCUの悪いところがドバっと出た失敗作に終わっている。

感想

劇場には行かずディズニープラスで鑑賞。

「MCUにはもう付いていけんかも」とは『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022年)でも『ソー:ラブ&サンダー』(2022年)でも『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』(2022年)でも書いたけど、本当にもうダメかもしれない。

参照とすべき過去作品があまりにも多すぎて、MCUもはやカオスと化している。

本作の前提条件となるのはざっとこれらの作品のようだけど、テレビシリーズがなんと3つ。これにちゃんとついてきている人がどれだけいるのだろう。

「話が繋がっているので、微妙なのも含めて全部見ておかないと」というこれまでのMCUの強みが、はっきりと弱みに転じている。ドラマでの出来事までが影響し始めて、見ているこちらが完全に蚊帳の外状態なのだ。

私の場合、『ミズ・マーベル』はノリが合わなくて最初の2話で断念し、『シークレット・インベージョン』に至っては1秒も見ていない。『ワンダヴィジョン』だけは全話完走したけど、見たのが2年も前なので細かいことはほぼ覚えていない。

『キャプテン・マーベル』(2019年)はちゃんと劇場で見たけど、こちらも一回こっきりの鑑賞なので内容なんてほぼ覚えていない。

本編ではクリー人とスクラル人が戦争をしている。こいつらは『キャプテン・マーベル』からの続投組のようで、MCUにちょいちょい顔を出すスクラル人こそ覚えてたけど、クリー人のことは完全に意識から飛んでいた。

さすがに第一作くらいは予習して来なきゃいけなかったのかもしれないけど、そんな気すら起こさせないほど、最近のMCUには「何が何でも付いていきたい!」と思わせるものがない。

宇宙をまたにかけた壮大な物語で、様々な惑星や民族が登場するのに、どれもこれもが”MCUっぽい”デザインで既視感バリバリ。宇宙の広大さを感じさせられない。

また「スプリーム・インテリジェンス」だの「クァンタム・バンド」だの「惑星ハラ」だの、次々と出てくる固有名詞が妙にダサく感じられて、「あんたら、いつまでこんなことやってんの?」状態だった。

もはや脳がコミックっぽい世界観やワードを受け付けていないのだろう。

しかも主人公は『エンドゲーム』にて、たった一人でサノス艦隊に打撃を与えたキャプテン・マーベルだ。

チート級に強すぎて一瞬でカタをつけてしまいかねないので、『エンドゲーム』においても、いかに不在にさせておくかという”配慮”がなされていたキャプテン・マーベル。

本作においては3人のヒロインがパワーを使うと体が入れ替わるので、おいそれとは必殺技を使えないという制限がかけられている。フルパワーを使えないよう作り手側から制約条件を加えられたヒーローの戦いなんて盛り上がるはずがない。

と、悪口ばかり書いてきたけど、本作は悪い事ばかりではない。

双方疲弊したクリー人とスクラル人は和平交渉に入っているのだが、そこにキャプテン・マーベルというスーパーパワーが介入したことで交渉は決裂し、再び戦争状態に陥る。ヒーロー自身が災いの種というポストモダンな作りには驚いた。

また崩壊する惑星から逃げるスクラル人をキャプテン・マーベルたちは救おうとするのだが、どうやっても間に合わない人たちを見捨てるしかなくなってしまう。

全員を救おうとして全滅するのではなく、何人かを犠牲にしてでも救える人を確実に救わねばならないという、ヒーローものとしては掟破りの展開を迎えるのだ。

だが残念なことに、こうした深いテーマは、ヒロイン3人組の明るいノリですぐにかき消されてしまう。

哲学性と清涼感の調和がとれておらず、ふざけて欲しくないタイミングでふざけてしまうことが残念だった。

本作の壊滅的な興行成績も災いしてか(製作費2億7400万ドルに対して世界興収2億ドル)しばらくMCUは打ち止めらしいけど、長いブランク明けに「あの映画のあのヒーローがカメオ出演!」なんてことをやられても、覚えてられないだろうなぁ。

ニア・ダコスタ監督は、本作がコケたのは「極めて悪意に満ちた暴力的な人種差別主義者、性差別主義者、同性愛嫌悪者たち」のせいと発言したらしいが、有色人種の私の目にも魅力的な作品ではなかった。

人種差別主義者以外の人たちも見に行かなかったという事実が、今のMCUへの評価だと思う。

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