ナルコス:メキシコ編(シーズン2)第8話_大統領選はスリル満点【8点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)

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実録もの

シーズンも佳境に入り、情勢は大きく動き、派手な見せ場もある満足度の高いエピソードとなっています。フェリクスは相変わらず土俵際で踏ん張っている状態なのですが、今回も倒れそうで倒れない彼の生命力の強さが描かれます。

他方、前話にて死亡フラグのぶっ刺さったパブロ・アコスタが案の定、窮地に陥るのですが、彼の織りなすドラマは滅びの美学を纏っており、フェリクスのドラマとは対照的な形での盛り上がりを見せます。

©Netflix

あらすじ

パブロ・アコスタの暴露記事

アメリカの新聞にパブロ・アコスタの暴露記事が載り、フェリクスは死活問題だとしてカルデローニに至急アコスタを処理するよう指示する。

同じ頃、アコスタの家を訪れたウォルトはヒューストンのFBI捜査官と鉢合わせになる。FBI捜査官達はメキシコの連邦警察と連携し、DEAに代わって捜査の指揮を執るようにとの指示を受けていた。

当のアコスタはリオグランデ川流域サンタエレナの拠点に身を隠していたが、覚悟を決めたかのような姿勢に不安を覚えた恋人のミミはウォルトを呼び出す。ウォルトが到着したのと時を同じくして、FBI捜査官を乗せたメキシコ連邦警察のヘリが現れ、町全体を機銃掃射しながらアコスタを邸宅にまで追い込む。

アコスタを殺すつもりでいるFBIに対し、ウォルトはアコスタの説得と生け捕りを申し出るが断られる。続いてカルデローニに対して、ここからアコスタを脱出させてアメリカで行方不明になったことにするという筋書きを提案するが、カルデローニもまた、ここでアコスタを殺すつもりでいる。

協力者の居ないウォルトはアコスタが籠城する邸宅に単身乗り込み、アメリカでの免責書類を見せた上でミミの妊娠を伝え、家族で暮らしたければ自分と共に来るようにとアコスタを説得する。

説得に応じたアコスタを連れ出したウォルトに対し、カルデローニは引渡しを要求。30人の警官隊に囲まれたアコスタは死を覚悟し、ウォルトが銃弾を受けることのないよう突き飛ばした直後、自身は大量の銃弾を受けて死亡する。

メキシコ大統領選

フェリクスによる選挙結果予測システムへの細工は完了したが、暴露記事の続報が出れば大統領選に勝利してもフェリクスとの密約は果たされないと言われる。

ついに大統領選が始まるが、選挙結果予測システムの改ざんは野党に見抜かれてしまう。窮地のフェリクスは配下の組織に命じて各地の選挙結果を改ざんし、投票用紙を燃やして証拠を隠滅し、事情を知りうる人間を口封じに殺して、辛くも与党を勝利させる。

何とか命拾いしたフェリクスは元妻に組織の健全化を約束し、復縁を図ろうとする。

登場人物

ウォルト・ブレスリン(DEA)

パブロ・アコスタ保護のため彼の拠点であるサンタエレナに向かうが、FBIとメキシコ連邦警察は共にアコスタを殺そうとしており、ウォルトはアコスタを生き延びさせるため奔走する。

ミゲル・アンヘル・フェリクス・ガジャルド(グアダラハラ)

自分を庇護してくれる与党は大統領選に敗北しかけており、他方でコロンビアからは70トンのコカインが到着し、これを捌くことに失敗すれば待っているのは死。まさに崖っぷち。

アマド・カリージョ・フエンテス(フアレス)

フェリクスより70トンのコカインの輸送指示が出て、突貫で間に合わせようとするが、その際に飛行機に仕掛けられた追跡装置を発見する。

パブロ・アコスタ(フアレス)

アメリカの新聞に実名で暴露記事を掲載し、大勢が彼を口封じしようとする。本拠地のサンタエレナに戻って襲撃への備えを行うが、メキシコ連邦警察とFBIは彼が想定していなかったヘリでの攻撃を仕掛けてくる。

ホアキン・グスマン “エル・チャポ”(シナロア)

ボスのエクトル・パルマはフェリクスと対立して逃亡中だが、そんな折に大統領選で行き詰ったフェリクスより直接の電話を受け、選挙結果の改ざんを指示される。これに対しエル・チャポは、お咎めなしでのエクトルの復帰を条件に引き受ける。

感想

スリルと緊張の大統領選

今回はフェリクスによる大統領選挙の改ざんと、パブロ・アコスタを巡る攻防が描かれるのですが、どちらも手に汗握る見事な出来となっています。

まず大統領選挙の改ざんですが、こちらはフェリクスと与党幹部の命がかかった工作活動でした。前話にて説明された背景を振り返ると、7月に控えた大統領選挙は野党候補がほぼ勝つだろうという情勢となっており、腐敗への対抗を明確にしている野党候補者が勝った日には、政権と癒着していたフェリクスや、フェリクスから金を受け取っていた現与党幹部はほぼ間違いなく刑務所送りになるという、まさに窮地にありました。

そこでフェリクスは選挙結果予測システムを改ざんし、与党候補優勢の予測を出すことで野党支持者が投票所へ足を運ばなくなるという作戦を立てます。

当話でいよいよ選挙本番をむかえ、途中まで工作がうまくいくのですが、気が緩んだタイミングで管理者画面を野党側の人間に見られてしまい、データの改ざんがバレてしまうという大チョンボをやってしまいます。

この場面での、野党幹部が迫ってくる際のスリルと言ったらありませんでした。本来悪いことをしているのは与党側で、世のためを思えば野党がこれを発見すべきなのですが、我々はフェリクス目線で見ているので「あ~、見つかっちゃう~」とドキドキしてしまうのです。

そして改ざん発覚後の「もう終わったわ、俺ら」という与党陣営のお通夜ムードの中で、それでも悪あがきを続けるフェリクスがどう盛り返すのかという点に、最後まで関心を引き付けられました。

結局、フェリクスはヤクザを使った選挙結果の改ざんという昔ながらのパワープレイでその場を乗り切るのですが、これもまた本来はフェリクスがめちゃくちゃ悪いことをしているはずなのに、見ている我々は「フェリクス、何とか乗り切ったな」と何となく安堵してしまうという構図が置かれています。

視聴者と犯罪者を精神的な共犯関係に置くということがこのシリーズは本当にうまいなと、あらためて感心させられました。

ド迫力のアコスタ大捕り物

時を同じくして、ウォルト捜査官側でも大きな動きがありました。

前話で捜査協力を約束したシナロア・プラザの幹部パブロ・アコスタが案の定、命を狙われることとなったのですが、アメリカ政府はDEAに代わってFBIを現地捜査の指揮に当たらせており、ウォルトはアコスタをうまく守ってやることができません。

そんな中、ついにFBIとメキシコ連邦警察がアコスタを仕留めにかかり、ヘリを用いた大規模な作戦を開始します。アコスタが武装して待ち構えているサンタエレナに連邦警察のヘリが飛来し、無差別に機銃掃射を行う場面は、本シーズン最大のアクションとなっています。

空中の視点と地上の視点を見事なクロスカットで繋ぐことで視聴者に戦況をスムーズに伝え、一般市民の犠牲者を映し出すことで戦いの容赦のなさを描きます。そして、ウォルトがアコスタをどう救うのかというサスペンスと相俟って、まったく目が離せない見せ場となっています。

前話から死亡フラグがぶっ刺さっており、あとはどんな死を迎えるかという状況だったアコスタは、ウォルトを巻き添えにしないよう意を決した行動を見せて、最後まで男気あるキャラクター像を貫きます。 スリル・ボリューム・ドラマ性のすべてを備えた、実にハイレベルなエピソードとなっていました。

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