ナルコス(シーズン3)_エスコバルなしでも面白い!【8点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)

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エスコバルなしでも面白い

パブロ・エスコバルの魅力こそがの見所だったのですが、そのエスコバルがシーズン2のラストで死亡し、さらにはナレーターとして視聴者の視点の立場にいたマーフィー捜査官も去り、事前には面白くなる要素がまるで見当たらなかったシーズン3でした。

しかしフタを開けてみるとこれが従前シリーズと同等レベルのクォリティを維持できており、それどころか瞬発力では従前シリーズを上回っている部分すらあって、本作制作スタッフの実力が予想以上に高いことに驚かされました。

メデジンとはまったく異なるカリ・カルテル

メデジン・カルテルは容赦のない暴力行為と「ヤクザで~す」という風体で社会を震え上がらせる攻めの組織だったのに対して、本シーズンの主人公となるカリ・カルテルは極力暴力沙汰を起こさず、世間をドン引きさせない立ち回りで政治家やビジネスマンといった表の人々を取り込んでいた守りの組織であり、両者の性質はまるで異なります。

普通に考えればドラマの作風を変えるしかないところなのですが、本シーズンが凄いのは、方向転換をせずちゃんと『ナルコス』になっている上で、クォリティを維持できているということです。ヤクザ特有の凄みや、生々しい暴力行為ははっきりと減少したものの、量よりも質で勝負と言わんばかりにいざという時の瞬発力で勝負しており、かつ、何も起こっていない場面でも常に不穏な空気を漂わせて緊張感を維持しており、素材が劣る点をスタッフの実力によって見事に克服できています。

第9話は白眉の出来

中でも白眉の出来だったのが第9話。ミゲル・ロドリゲスの逮捕と、ホルヘ・サルセド一家の救出が交互に描かれるこのエピソードはシーズン1から通してもベストのエピソードだと思うのですが、ごくわずかな綻びから作戦全体が破綻するのではないかという緊張感の醸成と、いざ作戦が動き始めた時のテンションの高さは、並みのハリウッド映画すら凌駕しています。

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