ナルコス:メキシコ編(シーズン2)第9話_フェリクスの成長【7点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)

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実録もの
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前話に続きド派手な見せ場のあるエピソードであり、娯楽作としての高い満足感を得られました。この戦いの末、ウォルトとフェリクスは対照的な立場に置かれるのですが、そのどちらのドラマにも見応えがあり、捜査官と麻薬組織の両方を描くこのシリーズらしい重層的な仕上がりとなっていました。

©Netflix

あらすじ

フアレスでの大銃撃戦

フェリクスは前年1987年のアメリカへのコカインの密輸量140トンの半分にあたる70トンものコカインを一晩で輸送するという大きな賭けに出るが、そのことは多くの者に動揺を与える。

配下のプラサはそんな大事を事前に知らされていなかったことに憤り、対立しているフアン・ゲラは、もしこの賭けに勝てば一夜にしてフェリクスが覇者になると恐れを為す。

これを追うウォルトも当初の想定を超える事態となったことを受け、部下達に気乗りがしなければ下りても構わないと最終的な意思確認をする。部下達は全員この戦いに対してやる気を示し、打倒フェリクスで団結してフアレスの空港へと乗り込む。

しかし、アマドは飛行機に仕掛けられた追跡装置に気付いていた。つまりこれはDEAをおびき寄せるための罠であり、いざ空港に乗り込んだウォルト達は待ち伏せ攻撃に遭う。激しい銃撃戦が繰り広げられ、ウォルトの部下の多くは命を失う。現場にはカルデローニも現れるが、ウォルトが独断に走り自分に報告をしなかったから、警告もできなかったと言う。

すべてが終わった後にアマドはフェリクスへ成功の報告をし、明日、本物のコカインが届くという手はずが実行に移される。

レジェンダ作戦の終了

ワシントンのDEA本部では作戦の報告回が行われるが、事件の規模を考えると出席すべきDEA局長が出席しないトカゲの尻尾切りのような雰囲気の中で、レジェンダ作戦の打ち切りが言い渡される。ウォルトはサクラメントへの異動を言い渡され、彼の部下達との約束も果たされないと言われる。

登場人物

ウォルト・ブレスリン(DEA)

亡き弟グレッグの妻子は転勤に伴う移住を行い、弟の遺品も処分したとの知らせが入る。

部下と共にフアレスの空港にコカイン取引の摘発に向かうが、これは飛行機の追跡装置に気付いたフェリクスとアマドが仕掛けた罠であり、待ち伏せしていた敵兵との大銃撃戦へと発展する。

ミゲル・アンヘル・フェリクス・ガジャルド(グアダラハラ)

大統領選勝利の祝賀会に前妻マリアを連れて出席。もはや身分を偽る必要はなく、党の友人として迎え入れられる。

アマド・カリージョ・フエンテス(フアレス)

記録的な量のコカインの密輸にいよいよ挑むが、一部からは様子がおかしいと言われている。

ベンハミン・アルジャーノ・フェリクス(ティフアナ)

フェリクスが自分達に黙って大きな取引を進めていたことに不信感を表す。

感想

スリルと興奮の大銃撃戦

複数のエピソードが同時進行で描かれることの多い本シリーズでは例外的に、当話はフアレスでのDEA vsカルテルのみに絞ったエピソードとなっています。

第6話にてアマドの飛行機に追跡装置を取り付け、フアレスの空港にカリ・カルテルからのコカインが運び込まれることを掴んだウォルトは、取引当日に部下達と共に空港へと摘発に向かいます。

かつてない量のコカインの摘発へと向かう場面は緊張感に満ち溢れており、また命がけの大作戦に誰も欠けることなく参加したウォルトのチームの団結力には熱いものもありました。いざ決戦!という高揚感が否が応にも高まっていきます。

しかし追跡装置の存在に気付いていた敵は罠を張って待ち構えていました。ここから始まる銃撃戦は大迫力であり、ド派手な爆破もあって目が離せません。

また馴染みのメンバーが次々と命を失っていくという痛みの描写も多く、非常にエモーショナルな見せ場となっていました。

フェリクスの成長

前話ラストで前妻マリアに復縁を持ちかけたフェリクスは、大統領選の祝勝パーティにマリアを同伴で出席します。何か人としての心を取り戻したかのような一幕でした。

加えて、組織の部下達への気遣いも見せ始めます。DEAに勝利した後、フェリクスは各プラサにコカインを均等に分けるという決定を下します。続けて、自分は配下のプラサのために頑張っているんだという発言までをしてみせ、唯我独尊だった従前のフェリクスからの大きな成長が見られました。

これにはアマドの存在が大きかったと思います。組織内で裏切りや離反が横行する中、アマドだけは物流の要として黙々と仕事をし続け、DEAの追跡装置にも気付いてこれを追い返すことにも貢献。「こいつが居なければ絶対に無理だった」と思わせるほどの超人的な活躍を見せました。

これにより、自分だけでは組織を動かせないこと、任せられる部下がいることでミッションの成功可能性は高まり、組織はより強くなっていくことを理解したフェリクスは、リーダーとして一皮むけたようでした。やはり、このシリーズはマネジメント論としても非常によく出来ています。

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